西武台新座中学校 スペシャルレポート10/チアダンス部の躍進に着目! 部活動で培った力の波及効果

Special Report

西武台新座中学校・西武台高等学校のチアダンス部は、2025年に史上初の二冠を達成するなど、躍進を続けている。高校生の活躍を間近で見ながら活動する中で培った力が学校生活全体に与える好影響について、入試担当の真鍋京祐先生と中学チアダンス部顧問の栢盛清子先生、チアダンス部で活動している生徒に話を聞いた。

Index

  1. チアダンス部での活動とリンクするクラスでの成長
  2. 高い目標を持つ高校生の存在が中学生の上達を促進
  3. チアダンス部で活動している生徒にインタビュー

チアダンス部での活動とリンクするクラスでの成長

同校のチアダンス部は、高校生が「全国高等学校ダンスドリル選手権大会2025」でDRILL POM部門 Medium編成とSHORT FLAG部門の2部門で1位となって史上初の二冠を達成し、2026年3月には「American Dance National / International Championship」に出場するなど、躍進を続けている。そんな高校生から刺激を受け、中学生も「第15回全国中学校ダンスドリル冬季大会」で Janet Lin AWARD受賞、「第14回全国中学校ダンスドリル大会」のソロ部門で第1位を受賞するなど、各大会で好成績を収めている。チアダンス部で活動している生徒は、部活以外でも成長を感じられる場面が多いと、昨年度中3を担任した真鍋先生は語る。

入試担当 真鍋 京祐先生

「本校では6月と11月に三者面談を実施していますが、教員が保護者に話をするのではなく、生徒が主役となって保護者と教員に向けて『成長プレゼンテーション』を行います。それぞれが思い描く将来像をもとに、高校生活や大学生活を見越してスケジュールの逆算を行い、現在の自分に必要な課題を見つけるための活動です。中1からチアダンス部で活動をし、全国大会でも1位となったMさんが中3の6月に行ったプレゼンを見たとき、パフォーマンス力があり、自分の成長や課題をしっかりと分析し、自分の言葉で語れていると感じました。練習を通して周りを見る力がついているので、自分のことを客観的に見ることもできているのだと思います」(真鍋先生)

チアダンス部は全国大会や国際大会という高い目標に向けて頑張っているので、その意識の高さをクラスにも還元してくれたら、クラスにとってもよい影響を与えると真鍋先生は考えていたという。

笑顔で部員を引っ張るMさん

「Mさんは自分から前に出るタイプではありませんが、2年間部長を務めていたので、その経験なども活かして前に出てくれたらいいなという話を彼女にしていました。そんな思いに応えてくれて、必要な場面で少しずつ前に出るシーンが見られたことが嬉しかったです。クラス内でちょっとした揉め事があったときも、Mさんの行動によってクラスがよい形にまとまりました。部活動での経験や実績の積み重ねが自信にもつながって、学校生活全体が充実していくことには大きな価値があると思います。クラスがバラバラになってしまいそうなときに、Mさんは客観的に原因を見極め、解決へと導いてくれましたが、その力は社会に出てからも必要とされる力です。高校生になってチームの規模も大きくなり、レベルも高くなっているので、教科学習とは違う学びから育まれる人間力も、より質が上がって幅が広がることに期待しています」(真鍋先生)

高い目標を持つ高校生の存在が中学生の上達を促進

「中学生係」の高校生がレッスンをサポート

チアダンス部は、中学生と高校生は同じ場所で練習し、一緒に練習することもあり、同じコーチが指導している。高いレベルの練習を間近で見ている中学生にとって、高校生は憧れの存在だと栢盛先生は語る。

中学チアダンス部顧問 栢盛 清子先生

「ダンスの基本となる部分は私が指導していますが、テクニックの部分はコーチが指導し、日々の練習は高校生が主体的に進めています。中学生は横で高校生が頑張っている姿を見ながら練習し、目標となる存在が常に近くにあるので、上達するのも速いです。毎年2人ぐらいの高校生に、『中学生係』をお願いしています。コーチがレッスンする際には、『中学生係』の高校生が中学生に付いて、できないところを助けたり、コーチの言葉をすべてメモします。レッスン後にはフィードバックとメモを見せるなど、中高の連携がチアダンス部の強みです。高校生は自分の練習もある中で、中学生をサポートするのは大変だと思いますが、高校生にとってもよい経験になっていると思います」(栢盛先生)

今年度の高1には、中高一貫コースで中学生からチアダンス部で活動している生徒が5人いる。入部したとき、経験者はMさん1人だったという。

「経験者のMさんが中心となって、他のメンバーを引っ張っていってくれました。日本で一番を取りたいという思いを持って努力している姿を見てきましたが、初心者が多い中で、3年間でチーム全体がこんなに上手になって驚いています。技術以外で一番成長が感じられるのは、周りを見られるようになって、それぞれが自己管理できるようになったことです。ミーティングをたくさん重ね、どこを目指したいか目標をしっかり決めて、そのためにどうすればいいのかそれぞれが考えます。部活ノートには、その日の練習と反省を書いて、顧問がチェックしてコメントします。3年生になった頃には、後輩の面倒も見られるようになって、技術的なことだけでなく、大会に向けて取り組む姿勢なども後輩に伝えられるようになっていました」(栢盛先生)

目標は模範となって周囲から応援される存在

チアダンス部は他の部が試合のときに応援をするが、彼女たち自身も周りが応援したくなるような人になってほしいと栢盛先生は語る。

「アメリカのチアチームは、学校の成績が優秀な生徒でないと所属できないことになっています。学校の代表としてパフォーマンスをするので、本業の勉強ができないと代表してパフォーマンスする資格がないとみなされるのです。日本はそこまで厳しくありませんが、周囲が応援したくなるような言動を心がけ、模範となれるような女性に成長していってほしいです」(栢盛先生)

栢盛先生は、他の部の応援に行くときは、応援させてもらっている立場だと考えているという。

「野球部やサッカー部などの応援ができるのも、彼らの努力でその舞台に行ける力があるからです。今日も秋季埼玉県高校野球大会の決勝があったので応援に行きましたが、本校が初優勝を果たすことができました。みんなの努力によって応援できる場があることが、とてもありがたいです。チアダンス部が夏の全国大会に出場したときに、野球部の部員全員で応援に来てくれたこともありました。『いつも応援にきてくれてありがとう。こちらも応援に行きたいです』と言ってくれたのですが、まさか全員来てくれるとは思っていなかったのでみんな驚いていました。観客席には保護者などが多い中で、本校は野球部の男子が声を出して応援してくれたので、とても嬉しかったです」(栢盛先生)

チアダンス部で活動している生徒にインタビュー

Mさん(高1 内進生)
第14回全国中学校ダンスドリル大会 ソロ部門 第1位受賞

Mさん

――チアダンス部に入部した理由を教えてください。

Mさん もともとクラブチームでチアダンスをやっていたので、中学受験をするときにチアダンス部がある学校を探しました。この学校のチアダンス部のパフォーマンスをテレビや動画で見て、チームワークや踊りが好きだったので入りました。

――部活の活動日などを教えてください。

Mさん 練習は週6日です。チアダンスが好きなので、練習日が多くても苦にはなりません。

――勉強との両立はどのようにしていますか?

Mさん 家に帰ると疲れて寝てしまうこともありますが、朝、電車で通学するときに単語帳を見たり、休み時間にわからないところを友達に教えてもらったりしています。以前は帰宅してからずっとチアダンスの動画を見てしまうこともありましたが、逆にその時間に勉強してから動画を見るようにして、勉強と部活のメリハリをつけられるようになりました。チアダンスをやっていることで集中力があるので、みんなより勉強時間は短いかもしれませんが、短時間で集中して勉強するようにしています。

――中学生のとき、高校生の練習を間近で見てどう思っていましたか?

Mさん 高校生が踊る姿は、とても格好よかったです。自分たちにはない見せ方もあり、演技が力強くて憧れていました。高校生からアドバイスをもらって頑張れたり、高校生に負けないぐらい自分たちがアピールしたいなと思ったりして、よい刺激になっていたと思います。演技する前に中学生で集まって、高校生を越えられるように頑張ろうと話して練習していました。

――Winter Cup(全国大会)の予選となる秋季大会(地区大会)での目標を教えてください。

Mさん 秋季大会で1位を取ることです。私はフラッグとポンポンとソロの3部門に出場するので、1回の練習に集中して取り組むようにしています。中学でソロの1位を取りましたが、高校でも1位を目指したいです。強い学校からソロに出場する人もいるので、負けないように頑張ります。

――中3のとき、クラスで小さな揉め事があったときのことを教えてください。

Mさん クラスのみんながやりたいことと話していることがずれていて、他の人が話していた意見もちゃんと聞けていなかったんです。普段はあまりみんなの前で意見を言うことはありませんが、ここで言わないとクラスがバラバラになってしまうと思ったので意見を言いました。感じたことをそのまま言うと、クラスがもっと崩れてしまうと思ったので、オブラートに包んで言いましたが、よい方向に向かうことができたのでよかったです。

――部活を通して成長したなと感じることはありますか?

Mさん 小学6年生ぐらいまでは、人見知りで人の後ろに隠れていました。チアダンスの経験を積んで、苦手意識がなくなってきて、だんだん平気になってきたのだと思います。プレゼンも、最初はとても緊張していましたが、今はたくさんの人が見ていても自分の伝えたいことを伝えられるようになりました。プレゼンが始まると、最初は少し緊張していても、だんだん「もっとアピールしたい!」と思えてきます。

――将来についてはどのように考えていますか?

Mさん 看護系に進みたいと思っています。飼っている犬に持病があるので、最初は獣医師になりたかったのですが、産科医療をテーマにした『コウノドリ』というドラマで助産師も気になり、看護師にも興味があって、まだ決めかねています。はっきり決めてはいませんが、看護系に行けるように勉強も頑張っています。

<取材を終えて>
取材した日は、野球部の試合で応援をした後、学校に戻ってきて放課後は自分たちの練習もしていた。秋の地区大会に向けて部内でオーディションを実施し、中高混合で出場できる部門には高校生に交じって中学生も1人、メンバーに入っている。コーチが来ない日だったので、高校生がリーダーシップを発揮してテキパキと練習を進めていた。中学生が高校生から刺激を受けて、よい環境で練習できていることが伝わってきた。

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