Special Report
2025年9月に開催された「武陽祭」(文化祭)を振り返り、当日までの準備や来場者の反応などについて生徒会役員の生徒に話を聞いた。
Index
2025年のテーマは「世界」
Kさん(中2 生徒会会長 写真左)
Yさん(中2 生徒会役員 写真右)
Nさん(中1 生徒会役員 写真中)
芝田直樹先生(中学入試担当)
2025年度は、9月6日と7日の2日間にわたって「武陽祭」(文化祭)が開催された。「世界」を学校全体のテーマとし、中高の校舎8フロアで世界中の様々な地域を表現。各クラスの企画では、趣向を凝らしたアトラクションや模擬店が展開された。美術部や書道部の作品を展示するスペースもあり、体育館では新体操部、チアダンス部、吹奏楽部、合唱部、演劇同好会、軽音楽部がパフォーマンスを披露。生徒たちは来場者が武陽祭を満喫できるように、それぞれの持ち場で生き生きと活動した。
「本校の文化祭は、生徒主体で実施しています。校内装飾の準備や当日の受付など、中心となって動いているのは生徒会の役員です。生徒たちは、自分たちが楽しむだけでなく、来場者に楽しんでもらうことを意識して運営しています」(芝田先生)
今年度、中学校は「ヨーロッパ」をテーマに、各クラスが選んだ国や文化の特色を様々な形で表現。例えば、フランスの洞窟をイメージして装飾された教室で、散りばめられた食材アイテムを集めてフランス料理を完成させ、脱出までの時間を競うゲームなど、来場者は多種多様な文化に触れながらクラス企画を楽しんだ。
「僕たちのクラスは、モナコのカジノをイメージして、来場者がブラックジャックやポーカーを楽しめる企画を考えました。生徒がディーラーになり、ベットするチップも用意して、得点が高かった人は景品がもらえます。チップを賭けるので、成功したとき、失敗したとき、皆さんそれぞれのリアクションが見られ、賭けることへのスリルを楽しんでいたようです。賭け方も人によって違っていて、思い切って全部賭けたり、慎重に少しずつ賭けるなど、性格が表われていました。自分もお客さんとして挑戦してみましたが、普段友達とブラックジャックをやるのとは違い、賭けるスリルが味わえて楽しかったです。他のクラスと比べても来場者が多かったようなので、たくさんの人に楽しんでもらえたと思います」(Kさん)
Kさんと同じクラスのYさんは、ディーラーとしての接客がよい経験になったという。
「ディーラーとして人と関わる経験が初めてだったので、後輩に敬語を使うか迷いました。最終的には、後輩もその場ではお客様なので、よほど仲がいい人以外は敬語で接客することにしました。どんな人にも丁寧に接客できたので、よい雰囲気でカードゲームを楽しんでもらえたと思います」(Yさん)
Nさんのクラスは、イギリスのプラックリー村をイメージしたお化け屋敷を企画した。
「イギリスのプラックリー村は、『イングランドで最も幽霊が出る村』として知られています。お化け屋敷を企画することは決まっていたので、みんなでヨーロッパのおばけに関する情報を調べて、プラックリー村をイメージした怖いお化け屋敷を作ろうということになりました。イギリスの街並みを再現するために、外装をレンガ風にしたり、ヨーロッパでよく見かける窓の形をイメージして装飾するなど、パッと見てヨーロッパを感じられる雰囲気を作りました。当日は、たくさんの来場者に体験していただき、出口で『面白かった!』『怖かった~』などの声を聞いてみんなも嬉しそうだったことが印象に残っています。実際に人が入れる棺桶を作って、中で待機していた人が起き上がって驚かせるところは皆さんリアクションがよかったです。『あの演技がよかったね!』と言ってもらえて、アイデアも演技も成功したのだと実感できました」(Nさん)
階段や受付を彩る校内装飾
同校では校内の装飾にも力を入れており、クラスでの準備とは別に、生徒会の役員と装飾実行委員がチームを作って校内装飾の準備を進めていくという。
「僕は、3年生2人の装飾実行委員と一緒に階段の踊り場を担当しました。階段の装飾は飛行機から見える景色がテーマだったので、飛行機が着陸する直前に見えるヨーロッパの街並みを海と陸の両方、模造紙に絵の具で描いて貼りました。作業は大変でしたが、絵が得意な先輩がデザインなどを考えてくれたので進めやすかったです。今年は生徒会と実行委員で作業を始めるのが遅かったので、もし来年も装飾に関わることがあれば、もう少し早く始めて今年以上に充実した装飾にしたいと思っています」(Kさん)
YさんとNさんは装飾実行委員4人とチームを組んで、1階受付スペースの装飾を担当した。
「空港の電光掲示板をイメージして、行き先や便名のところにクラスや国名を描いて段ボールに貼って案内版を作りました。受付は校舎に入って最初に見る場所なので、お客様を楽しませられるように見栄えを考え、小物なども作ったら、作るものが多くなってしまって大変でした。6人で話し合って予定を組んで、夏休みも利用して作業を進めました」(Nさん)
Kさんは3階フロアの入口に、凱旋門をイメージした装飾をクラスのみんなで手作りしたことも印象に残っているという。
「中学校舎の各フロアに、ヨーロッパをイメージした装飾を作ったのですが、3階は来場者がパリの凱旋門をくぐる雰囲気も味わえるような装飾を作りました。段ボールや模造紙で大きな装飾を一から手作りしたので、クラスの団結力も高まったと思います」(Kさん)
Yさんは、クラス企画の外装にも力を入れて取り組んだ。
「予算が限られているので、予算内でヨーロッパの雰囲気が出せるように教室の外装に力を入れました。絵が上手な人にヨーロッパっぽい絵を描いてもらい、みんなで分担して色を塗って、廊下側の教室の壁に貼りました。反省点としては、外装に力を入れすぎて内装が少しおろそかになってしまったので、来年はバランスよく内装にも力を入れたいです」(Yさん)
夏休みは部活動や夏期講習など、それぞれ予定もあるので、同校では武陽祭の前日と前々日の2日間を集中的に準備期間としてあてている。クラスによっては夏休み中に準備をすることもあり、Nさんのクラスは材料を夏休みに用意しておき、組み立てや作る作業は2日間で行ったという。
「クラス企画や生徒会での仕事など、いろいろとやることがあって大変でした。忙しい期間も乗り越え、みんなで協力しあって最後までやり通すことができたからこそ達成感も味わえたので、よい武陽祭だったと思えます。今年は初めての武陽祭で、慣れないことやわからないことも多かったです。終わったあとにもっと丁寧にやればよかったとか、これもあったらよかったのにと思うことがありました。その振り返りを来年につなげて、今年よりもレベルアップして、クラスも学校全体も底上げできるように工夫したいです」(Nさん)
高校校舎は企画も装飾もレベルアップ
高校生になると飲食物の販売なども行い、模擬店やカフェの運営を通してキャリア教育にもつながる様々な経験をする。
「武陽祭は中高合同で開催していますが、中学校では皆さんに楽しんでもらえるようなアトラクションを企画し、高校ではカフェや模擬店などで、来場者とお金(金券)のやりとりなども行います。高校生にとっては、外部の業者から飲食物を購入する経験などを通して、社会や仕事について知る機会にもなっています」(芝田先生)
高校校舎で模擬店などを訪れたKさんは、中学校とのレベルの違いを感じたという。
「高校は中学校より予算も多いので、内装などの完成度の高さに違いを感じました。ここまでできるのかということがわかったので、高校生になったらいろいろ提案してみたいです。模擬店で食べたものは全部美味しかったので、自分も模擬店で何か作ってみたい気持ちになりました。模擬店は武陽祭の中で、一番関心が集まると思います」(Kさん)
高校校舎では、内装が印象に残ったクラスがあったというYさん。
「アイスを販売しているクラスでシューアイスを買ったのですが、内装に統一感があってとても印象に残っています。風船を使ったり、ブルー系で統一していたりして、来年はこんな風にしたい、このレベルで装飾を作りたいと思いました」(Yさん)
Nさんも、高校校舎ではクオリティの高さを感じたという。
「入ってみたいなと思わせるインパクトがあり、高校生にしかできないものがありました。外装のクオリティが高く、デザインやセンス、技術がすごいなと思います。飲食物もアジア風、アフリカ風など、それぞれの特色が出ていて、私はゆっくりと食べたり飲んだりする時間はなかったのですが、友達が珍しいドリンクを飲んで美味しかったと言っていました」(Nさん)
「武陽祭」では装飾に力を入れているので、訪れる受験生にも装飾のどこに力を入れたかを感じ取ってほしいとKさんは語る。
「校内のあちこちに装飾があり、毎年テーマに合わせた力作があるので、中学生や高校生の頑張りを感じながら装飾を見てほしいです」(Kさん)
小学6年生のときに「武陽祭」を訪れたNさんは、中高生の頑張りがしっかりと伝わってきたと振り返る。
「どのクラスの外装も内装もいろいろと工夫されていて、説明も丁寧で、生徒たちも楽しそうだと感じました。武陽祭を訪れると来場者を楽しませようとしている気持ちが小学生にも伝わってきますし、行事に一生懸命な生徒たちの様子も見ることができます。行く前はまだ受験校を絞れていなかったのですが、来場者への思いやりが感じられて安心できる雰囲気だったので、一気に気持ちが固まってこの学校に通いたいと思うようになりました」(Nさん)
Yさんも小学6年生のときに「武陽祭」を訪れ、中3のクラスが企画した歴史双六が印象に残っているという。
「ルール説明もわかりやすくて、教室内をぐるぐるまわってとても楽しかったことを覚えています。受験校の候補として西武台新座を考えていましたが、武陽祭に来てこの学校に通いたいという気持ちが強まりました。やはり受験前に、学校に来てみて雰囲気などを感じることが大切だと思います。どんな学校か知りたいと思ったら、ぜひ武陽祭に来てください」(Yさん)
<取材を終えて>
今年の「武陽祭」では、部活動の発表も多いに盛り上がったという。夏の「全国高等学校ダンスドリル選手権大会」で、「SHORT FLAG部門」と「DRILL POM(medium編成)部門」の両方で第1位になり、史上初の2冠を達成した高校チアダンス部は、大会での作品を中心に演技を披露。文化祭はクラスや部活動の雰囲気などを知るよい機会となるので、同校の「武陽祭」にぜひ足を運んでいただきたい。
所在地
〒352-8508
埼玉県新座市中野2-9-1
TEL 048-424-5781
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