西武台新座中学校スペシャルレポート7/新校長の学校改革! 2025年度のテーマは「中高の一体感」

Special Report

2025年4月に西武台新座中学校・西武台高等学校の校長として、佐賀博先生が就任。就任後に着手した学校改革について話を聞いた。

Index

  1. 中学から高校へ学びをよりスムーズに連携
  2. 「土台」から見直して進める改革
  3. 学力向上のためにも「対話」を重視

中学から高校へ学びをよりスムーズに連携

2025年4月に同校の校長に就任した佐賀先生は、6月には理事長に就任して兼務している。中高一貫校を含めて、多数の公立校で教頭や校長を経験しているからこそ持てる客観的な視点で課題を見出し、今年度から学校改革に着手した。

「昨年度は高校の副校長として、1年間本校を中から見てきました。その間に、近隣の私立校への視察も行っています。その上で本校は基本に立ち返り、『丁寧に学力を伸ばす学校』でありたいと考えました。そのためには、目指すものを教員としっかり共有することが大切なので、中高の全教員と面談を重ねています。抜本的な改革なので時間をかけて行う必要がありますが、まずは高校のコースとカリキュラムを組み直しました。生徒たちのニーズをくみ取り、中学から高校へ学びをよりスムーズにつなげるために、時間割を整えてクラス編成を見直す必要があったからです。2026年度の新入生から、高校は新しいコースとクラス編成になります」(佐賀校長先生)

理事長 校長 佐賀 博先生

中学校からの内進生は2クラスあるが、これまでは時間割の関係で高入生との混合クラスに入る生徒もいた。スムーズな連携のために高校の時間割を組み替え、2026年度からは内進生2クラスは高入生とは混ざらない中高一貫クラスとなる。

「進度が異なる内進生と高入生が混ざると、中高の学びをスムーズにつなげることが難しくなります。これまでは時間割の関係で、部活動を優先させたい生徒が他のクラスに入るケースがありました。内進生のクラスも部活動に参加しやすいように時間割を組み替えたので、2026年度からは中入生は6年間高入生と混ざることのない中高一貫クラスとなります。今後、中高の学びをよりスムーズにつなげられるように授業の進度なども見直す予定です」(佐賀校長先生)

「土台」から見直して進める改革

同校では2011年の開校当初から、発音を重視した「西武台式英語」を実践してきた。しかし10年以上経った今、ニーズや成果を再確認してプログラムを見直す必要があると感じたという。

「西武台式英語は本校の目玉ともいえるプログラムですが、教員のスキルに委ねていた面も大きかったと感じます。維持するもの、新たに取り入れるものを検討し、どの教員でも同じように実践できるプログラムとなるように見直しをして、ブラッシュアップしていきたいです」(佐賀校長先生)

しかし、各プログラムの見直しだけを考えるのではなく、まずは土台となる部分を大切にしなければならないと佐賀校長先生は語る。

「例えば車を選ぶとき、新しい技術を取り入れたカーナビやアイサイトが魅力的に見えたとしても、エンジンやボディがしっかりとしていなければ安心して乗ることができません。学校教育も同じように、まずは骨となる部分を盤石にすることが大切だと考えています。着実に学力を伸ばすための土台がしっかりとできていてこそ、英語や探究などの各プログラムも成果を出すことができるのです。皆さんに安心して通っていただけるように、学力を伸ばしていくスケジューリングなどもわかりやすく可視化できるように整えていきたいと思っています」(佐賀校長先生)

しっかりとした教育の土台を作るためには、「中高の一体感」が必要だという。

「中1から歩みを止めることなく学力を伸ばしていくためには、中高の一体感が必要だと考えています。例えば本校では、1学期の始業式だけが中高合同で、その後は月に一度の朝礼、終業式なども中高別々に行っていました。今年度からは全校生徒が集まれるようにすべて中高合同で行っています。小さなことに思えるかもしれませんが、西武台生として一体感を持つためには変える必要があると考えました。部活動での活躍などで表彰が行われるときも中高一緒なので、それぞれ刺激し合って成長していってほしいです」(佐賀校長先生)

学力向上のためにも「対話」を重視

学校改革を進める中で、教員と生徒、生徒同士の「対話」を大切にしていきたいと佐賀校長先生は語る。

「私自身が生徒と話すことが大好きなので、高校生の修学旅行にも同行して生徒たちといろいろな話をしました。対話というのは、相手から話を引き出し、そこから得たものを見極めて伝え返すことが重要です。生徒から引き出したことの中から、核心に触れる部分を見極めて返すことで、生徒の目は輝きます。若くてまだ経験が少ない教員には難しい部分もありますが、教員に求められる重要な力だと考えています。教員と生徒の面談や生徒同士のグループワークなども、きちんと対話ができているかどうかが大切なのです」(佐賀校長先生)

中学生を指導する場合、高校生を指導した経験が邪魔になる場合もあるので、教員の中高連携には難しさもあるという。

「高校生はあれこれ世話を焼かれるとわずらわしいと感じる生徒もいるので、教員は少しあっさりとした接し方になる傾向があります。しかし、中学生に同じような接し方をすると『寂しい』とか『冷たい』と思われてしまうのです。そういった難しさもある中で、中高の一体感を目指して改革を進めていきます。教員とも考えを共有しながら根本から見直す大きな改革なので、形として見えてくるには数年はかかるでしょう。まずは、西武台新座中学校が大きく変わろうとしていることを皆さんに知っていただきたいです」(佐賀校長先生)


取材を終えて

同校のスペシャルレポートとして、改革の進捗状況を追っていきたいと考えている。大きく変わろうとしている同校の学校改革がどのように進んでいくか、注目していただきたい。

 

西武台新座中学校のホームページ

 

 

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