立正大学付属立正中学校 スペシャルレポート9/対話を重ねた丁寧な進学指導。1人ひとりが希望する進路を実現!

Special Report

立正大学付属中学校・高等学校は、日頃から先生と生徒の距離が近く、進学指導においても1人ひとりの希望に応じた細やかな対応をしている。今年4月に「特別進学クラス」から第一志望の大学に進学した2名の卒業生と、その時の担任の先生に話を聞いた。

Index

  1. 「行ける大学」よりも「行きたい大学」を重視した進路指導
  2. 日々の授業で学力を養成、部活動との両立を図る
  3. 生徒の個性や強みを活かした受験対策

「行ける大学」よりも「行きたい大学」を重視した進路指導

立正大学付属中学校・高等学校は中学2年から、「特別進学(特進)クラス」と「進学クラス」の2種類のクラスを編成している。高校1年では、中学入学生が一部の教科で先取り授業を行っていることから、高校入学生と別のクラスを設置。高校2年以降は、特進・進学クラスともに文系・理系に分かれ、希望の進路に沿った学習を展開している。

同校の学習及び進学指導の特色は、「個」を重視していることだ。1人ひとりに目が行き届く環境を整え、日常的にコミュニケーションをとって相談のしやすい雰囲気を作り、生徒自らが自分に合った学び方や進路を見出せるように導いている。

英語と数学は中学1年から習熟度別のクラスを作り、学力に合わせた進度で授業を実施。クラス編成は、個々の学習状況や到達度を見ながら行うため、教科、学年によってクラス数は異なるという。なお、習熟度のクラスの入れ替えは定期試験ごとに行っている。

また、授業以外にも随時補習を実施し、生徒たちの学力の定着を図っている。さらに夏期や冬期などの長期休暇を利用し、特別講座を開講している。なかでも高3は、大学受験用の講座を多数用意し、共通テストや推薦入試対策、志望大学のレベルに沿った英語や現代文、古文、社会、理系では数学や理科の演習を設けるなど多彩な講座を開設。少人数制の講座も多く、きめ細やかな指導が行われている。

そして進学指導では、「行ける大学」よりも「行きたい大学へ」をモットーに、面談を多く取り入れ、生徒がふさわしい進路を選べるよう教員が一緒に考え、手厚くサポートをしている。

日々の授業で学力を養成、部活動との両立を図る

今年度の特別進学クラスの卒業生である雪城大暉さんと福島玲奈さんは、それぞれ早稲田大学、上智大学へ進学した。高校3年次に担任を受け持っていた小林護先生とともに、学校生活の思い出や受験までの道のりについて語ってもらった。

 

立正大学付属立正中学校
▶︎小林護先生
立正大学付属立正中学校
▶︎雪城大暉さん
立正大学付属立正中学校
▶︎福島玲奈さん
小林護先生:昨年度の高3の「特別進学クラス」担任。数学科教諭
雪城大暉さん:早稲田大学 人間科学部1年生。中学内進生。在学中のクラブは体操部(マネージャー兼務)
福島玲奈さん:上智大学 理工学部1年生。中学内進生。在学中のクラブはチアリーディング部(高校では部長を務める)

 

――(卒業生へ)最初に、この学校を選んだ理由や、部活のことなどを教えてください。

 

雪城さん:立正はプールがきれいで、父親が勧めていた学校という記憶くらいしかないのですが、入学してすぐに、同級生が良い人ばかりで、楽しい学校生活が送れそうだなと感じました。部活は、新入生対象の部紹介でインパクトがあり、また、ガチガチの体育系ではなさそうという理由で、体操部に入りました。先輩が温厚で、互いに敬意は払うけれど、和気あいあいとしたクラブでした。

福島さん:私がこの学校を選んだのは、文化祭を見学した時に高校生が親切に接してくれて好印象だったことと、3歳から習っているチアリーディングの部活動があったからです。チアリーディング部は、オンとオフがはっきりしていて、更衣室などでは1年生から6年生が一緒に他愛もない話をしたりしますが、練習になると学年間の技術の差が大きいので、先輩が指導して後輩が吸収をしていくという感じでした。

 

立正大学付属立正中学校

 

 

――(卒業生へ)学習面はどうでしたか?

 

雪城さん:国語は、特に何かを勉強してきたわけではなかったけれど、小学生の時から優秀でした(笑)。高校では、世界史が得意になりました。先生が、教科書をただなぞるのではなく、「カエサルは多額の借金をしていた」など、背景のストーリーまで語ってくれるのが面白く、興味がそそられました。定期テストも毎回、「勉強して良い点をとってみせるぞ」と思わせてくれるような先生だったので、それを繰り返していたら、実力が付いていきました。反対に数学は大の苦手でしたね。

福島さん:もともとは国語が得意で、数学は好きだったけれど伸びない教科でした。でも、先生が電子黒板を使って動く図形を見せてくれるなど、わかりやすい授業をしてくれたので、それまでは苦手意識をもっていた立体図形も理解できるようになり、成績も上がっていきました。
高校からは学習の難易度が上がり、中学のような緩い勉強ではいけないと思ったので、自分用の家庭学習ノートを作って復習をしていました。朝の1時間あるかないかの隙間時間を利用して、集中的に勉強することもありました。

 

――(先生へ)福島さんは中学2年、雪城さんは中学3年からクラス担任を受け持っていたそうですが、お二人はどのような生徒でしたか?

 

小林先生:この学年の内進生は人数が少なく、特進クラスも20人くらいでした。雪城くんは本人も言っていたように国語の成績が良く、特に文章を書くのがうまかった。たとえば「このニュースについてどう思うか」といったテーマで書かせると、長文を書いてきて、内容も面白く知見も深いのです。また、世界史はマニアックなくらい詳しかったですね。数学など苦手なことを克服するというよりは、得意分野を伸ばすほうが向いていて、文理選択も文系一択でした。
福島さんは中学生の時から、数学は習熟度の上のクラスで学んでいました。自分からコツコツと勉強するタイプで、どの教科の成績も安定していました。一方、部活動も熱心で、高3の夏休みまでがんばっていました。私は、特進クラスであっても、高3までは授業や課題にしっかり取り組みながら、部活や学校生活、プライベートもエンジョイしてほしいと考えていたので、生徒にもそのように伝えていました。

 

生徒の個性や強みを活かした受験対策

――(卒業生へ)現在の進学先をいつ頃、どのような理由で選んだのでしょうか?

 

雪城さん:早稲田の受験を決めたのは、高3の夏休み前です。きっかけは、高2の後半から得意な世界史を模試の判定に使えるようになり、偏差値も上がっていった時に、小林先生から「もっと上を目指さないのか」と言われたことです。当時、自分は、「世界史や国語は強いけれど、早稲田を受けるような身分ではない(笑)」と思っていたので、先生に発破を掛けられて火がつきました。「あとは英語の力をもっと上げなくてはいけない」と言われ、それは自分でも自覚があったので、基礎から徹底的に勉強しました。今思うと、小林先生から「早稲田大学が向いているよ」と言われたことが励みになり、受験勉強のモチベーションになりました。

福島さん:中学生の頃から、理系大学の進学を視野に入れていました。高校で考えが固まった時に、上智大学は指定校推薦があることや、1つのキャンパスに全学部が揃い、みんなが集まっている雰囲気が立正に似ていることから、志望校に決めました。また、私は短期間の受験勉強で成績を上げられるタイプではないので、指定校推薦で進学をしたいと、小林先生に伝えました。先生は、行事も生徒と一緒に参加するなど、普段からよく会話をしていたので、進路の相談もしやすかったです。

 

――(先生へ)雪城さん、福島さんへの提言を含め、進学指導で心がけていることを教えてください。

 

小林先生:まずは生徒の希望を尊重し、その上で、それが本人にとってふさわしい進路なのか、話し合いを重ねます。雪城くんに、「早稲田を受験してみないか」と言ったのは、単に大学名が知られているからではなく、本当に彼に合っている大学だと思ったからです。また、彼自身が自分の可能性に気付いていないようだったので、声をかけてみました。福島さんは、部活との兼ね合いもあり、指定校推薦で受験するのは良い選択だと思いました。ただ、評定の基準が高いので、そこはしっかりクリアしていくようにと話しました。
高3の担任としては、とにかく一人ひとりの生徒が進みたい大学、学部に合格し、卒業式を晴れ晴れとした表情で迎えてほしいという願いがあります。ですので、特進クラスは基本的に一般選抜を目指しますが、総合型が良いと思えば言いますし、どんな入試の型であれ、生徒が希望を叶えられるよう全力でサポートするのが、私の仕事だと思っています。

 

――(卒業生へ)6年間を振り返り、学校生活で楽しかったこと、思い出に残っていることは何でしょうか?

 

雪城さん:思い出深いのは、中3の時に音楽の発表会があり、福島さんをはじめ女子が、「一緒にダンスをしよう」と誘ってくれたことです。自分たちのクラスは、もともと仲が良かったけれど、これがきっかけで男女間の距離がもっと縮まったような気がします。

福島さん:行事も楽しかったけれど、「テストが嫌だね」とか、クラスで普通の会話をしている日常が何よりも楽しかったです。私たちのクラスは人数が少ないこともあって、行事もテスト勉強も、何をするにも一緒でした。卒業した今も連絡を取り合っていて、かけがえのない仲間に出会えたことが一番の思い出です。

 

立正大学付属立正中学校

 

――(卒業生へ)今後の目標や将来の夢を教えてください。

 

雪城さん:この4月にオムライスをこよなく愛する人が集まるサークルを作ったのですが、そのサークルで早稲田祭に出店するのが直近の目標です。サークルは8月現在、100人以上のメンバーがいて、ちなみに福島さんも入っています。大学祭に出店するには費用もかかるので、企業と絡んで、面白いものを作ってみたいですね。サークル活動などを通して自分の価値を高め、それを就職活動にも活かせたらよいと考えています。

福島さん:大学の留学生と2人1組になって、学食で一緒にごはんを食べたり、活動したりする日本語サークルに入ろうと思っています。留学生は日本語を学べ、私は英語力が磨けて、海外の人と交流できるのも楽しみです。将来は、教職を考えています。数学の教師として、この学校に戻り、チアリーディング部の顧問も務めたいです。

 

――(先生へ)教え子たちへのメッセージをお願いします。

 

小林先生:このクラスは担任から見ても、各自が自分のやりたいこと、好きなことを明確に持っていて、それを互いに認め合っていました。雪城くんは高校の時からオムライスの活動をしていて、またクラス委員長もするなど、行動力のある生徒でした。福島さんが教職を考えていることは前に聞いていて、嬉しかったけれども、それに縛られることなく、4年間の大学生活の中で自分の道を選んでいけばよいと思っています。最終的に立正の教員として戻ってきてくれたら、それは大きな喜びですね。彼らならこの先も、自分の力でしっかりと夢を叶えていくだろうと信じていますし、陰ながら応援をしています。

 

 


取材を終えて

以前から、進学指導の面倒見の良さに定評のある同校だが、インタビューを通じて再認識をした。また、クラスが先生を含めて1つのチームのようであり、大学受験は1人ひとりの戦いではあるけれども、みんなで支え合いながら乗り切っていったのではないかと感じた。

 

立正大学付属立正中学校のホームページ

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