Special Report
中村高等学校では、4年生(高1)の学年行事として6月に「研修合宿」を実施。目的やプログラムについて、引率した大畑摩郎先生(4年生担任)と4年生の生徒に話を聞いた。
Index
高入生と内進生の仲を深める重要な行事
同校では4年生(高1)の学年行事として、6月に「研修合宿」を山梨県の山中湖で実施している。親睦を深めることを主な目的としているが、もともとは体育の単位認定に関わっていた行事だったという。
「体育の単位認定は別の形で行うようになったので、当初とはプログラムも変わってきました。現在は、学年全体や高入生と内進生との親睦を深めるきっかけとして重要な意味があります。また国際コースは全員が留学するので、学年全員(3コース5クラス)が参加する最初で最後の宿泊行事となります。単位認定に関係していた駅伝と、富士登山は今も続けています。今年度の4年生は136人で、そのうち内進生が99人、高入生が37人です。」(大畑先生)

1日目はバスでの移動とバーベキュー、2日目に駅伝と飯盒炊爨、3日目に富士登山、4日目は初めてのプログラムとして農業体験が行われた。
「もともとは4日目に、体育館を借りてスポーツ大会を実施していました。雨天の可能性も考慮して組み込んでいましたが、3日目まで運動のプログラムが多いことから、今年度から新しいプログラムとして実施したのが農業体験です。駅伝のチームは、体育の授業で実施したシャトルランの記録をもとに、同じぐらいのタイムになるように分けました。同じクラスの生徒は多くても2人で、ほとんど話したことのないメンバーです。1日目の夜に襷づくりで初めて顔を合わせる感じで、2日目の午前中に駅伝を実施、お昼にはそのチームで一緒にカレーを作って食べます。5区間に分けますが、一番長い区間で約3.4km、一番短い区間で約1.8kmです。富士登山は、5合目をゴールに設定し、途中の駐車場にバスを停めてそこから少し登る程度ですが、経験の1つとして行っています。」(大畑先生)

今回の「研修合宿」では、宿泊先での自由時間を例年より長くとったという。
「内進生も高入生のことが気にはなっていますが、中学からの友達がいて話し相手には困らないので、高入生から話しかけられるのを待っているという感じなのです。学校だと内進生で固まりがちですが、研修合宿のように長い時間一緒に過ごせると、そこから離れたり、他のグループと交流したりすることができます。学校生活では、休み時間にどうでもいい話をしたり、先生の愚痴を言いながら帰るなど、そういった時間も大事だと思っています。今回の合宿でも、熱中症対策としてしっかり休むという意味もありましたが、宿に着いてからの自由時間をかなり長く設定しました。いい意味で高入生の遠慮も薄れてきて、自由時間が長いことで自然に話せるようになったのであれば何よりです。合宿で内進生と高入生がより打ち解けられたのは大きな成果だと感じていますし、楽しい学校生活を送るために重要な意味がある行事だと思っています。」(大畑先生)
親睦を深め、達成感や学びもある充実の4日間

Wさん(4年生 高入生 先進コース 写真左)
Iさん(4年生 高入生 先進コース 写真左から2人目)
Kさん(4年生 内進生 先進コース 写真右から2人目)
Nさん(4年生 内進生 先進コース 写真右)
――「研修合宿」で一番印象に残っていることを教えてください。
Wさん バーベキューです。違うクラスの人と同じ班になって、話したことがなかったので最初は緊張もありました。実際に話してみたらみんな優しくて、一緒に調理をするうちにすごく仲良くなれて楽しかったです。

Iさん バーベキューの後に行ったチームビルディングです。3つのコースが混ざったチームだったので、普段あまり関わる機会がない国際コースの人とも話すよい機会になりました。探検しながらチームで協力して謎解きをしていく中で、自然に話すきっかけがあったり、達成感もあったので印象に残っています。私はシャイな性格なのですが、みんな優しくて温かくて、コースが違っても仲良くなれたので、中村生っていいなと改めて思いました。
Kさん 2日目のお昼に、駅伝のチームでカレーを作ったことです。チームには内進生も高入生もいて、初めましての人もいました。キッチンではなく飯盒炊爨だったのでいろいろ大変でしたが、煙の中で交代しながら頑張って作ったことが一番心に残っています。

Nさん 3日目の夜に実施したキャンプファイヤーです。私は研修合宿係として、ジャンケン列車と猛獣狩りというゲームをした後に、みんなで歌を歌うという企画を考えました。終わった後に、みんなが「楽しかったよ」と言ってくれたのが嬉しかったです。研修合宿係には、楽しそうだからやってみたいと思って立候補しました。これまでは人をまとめる経験がなかったのですが、人をまとめる難しさを経験して、終わった後の達成感もあったのでやってよかったです。

――駅伝の感想を教えてください。
Wさん 走る区間を決めるときにジャンケンで負けてしまって、1番長い区間を走ることになりました。襷を受け取って走り出して、途中はきつかったですが、走り終わった後にみんなが「お疲れさま!」と言ってくれたので、より絆が深まった感じがします。襷は、見たときに楽しく感じられるのがいいということになって、みんなが楽しく頑張れるような言葉を寄せ書きしました。
Iさん 私も一番長い距離を走ることになって、途中で倒れるかなというところもあったのですが、ここで諦めたら自分のせいで途切れてしまうので、なんとか走り続けました。襷には、歩いてもいいから必ず襷をつなげようと話し合って書いたので、責任を果たせてよかったです。

Kさん 私もジャンケンで負けてしまって長い距離を走るはずだったのですが、友達が短い距離を譲ってくれました。譲ってもらったからには、自分の区間を頑張って走り切ろうと思ったので、それが走る気力になってゴールできました。襷には、チーム名を目立たせて、そのまわりをデコレーションしています。チーム名はかわいい名前にしたいねということになり、「いちごミルク」に決めました。「いちご」ってかわいいねという意見が出て、そこにミルクを付け足した感じです。
Nさん 初めての場所を走ったので、ゴールがどこかわからないし、今どこを走っているのかもわからないのがきつかったです。私の区間は折り返し地点があったので、折り返した人が「もうちょっとだから頑張って!」と言ってくれたのが嬉しくて励みになりました。チーム名は適当に決めてしまって、名前がないという意味で「ななし」です(笑)。みんなで「最後まで走り切ろうね」と言って、襷を作りました。
――農業体験はいかがでしたか。
Wさん 桃狩りでは、収穫の仕方や袋のかけ方を教えてもらって、その場で食べた桃がとても美味しかったです。すごく暑かったので、あれだけの桃を少ない人数で収穫するとなると、農家の仕事は大変だと思いました。

Iさん 採れたてのレタスを初めて食べましたが、瑞々しくてスーパーで売っているのとは全然違うと思いました。少ない人数で、気候なども気にしながら毎日農作業をするのは大変だと思います。農家の方たちは魂を込めて作業していて、愛があると感じました。
Kさん レタス農場では、室内で農家の方がスクリーンを使って仕事内容などを説明してくれたのでわかりやすかったです。冷房がなかったので、農家の方たちはそこで毎日働いているのだと、大変さが少しだけわかりました。
Nさん レタス農場では、働いている方たちの平均年齢が思ったより若かったことが印象に残っています。みんながレタスを持って帰るので、帰りのバスは棚がレタスだらけになっていたのが面白かったです(笑)。

内進生と高入生が仲良くなれた「きっかけ」
――入学当初、高入生と内進生が混ざることについて不安はありましたか?
Wさん 入学後はなかなか自分から話しかけられなかったので、友達ができるか不安で中学の友達が恋しいと思った時期もありました。5月の体育祭や6月の研修合宿をきっかけに毎日楽しく話せるようになって、入学したときには想像できないくらい仲良くなれたのでよかったです。特に、研修合宿は重要だと思います。みんな話しかけてくれたので嬉しかったですし、宿舎での女子トークも楽しかったです。

Iさん 私も最初の1、2か月は友達ができるか心配で、少し猫をかぶったりして、興味がなくてもあると言ってしまうような時期もありました。あまりにも頑張り過ぎて、疲れてしまうこともあったほどです。でもだんだんと、そんなことをしなくても受け入れてくれることがわかり、自然体でいられるようになりました。特に研修合宿では、普段と違って1日中一緒に過ごせるので、相手のことも知ることができ、より絆が深まったと感じています。研修合宿は、とてもよい行事だと思います。
Kさん 最初の頃は内進生同士で話した方が緊張しないので、つい知っている人とばかり話していました。でも実は、内進生も初めましての人たちと仲良くなりたいと思ってきっかけを探しているんです。内進生の友達と一緒に頑張って高入生に話しかけて、共通の趣味が見つけられたら仲良くなれました。

Nさん 私も高入生に話しかけたいと思っていましたが、何が好きかわからないので、声をかけるのをためらうこともありました。体育祭のとき、私は応援団に入ったので、その中にいた高入生とは、練習をしながら仲良くなれました。一緒にお昼ご飯を食べたり、一緒に練習に行こうと誘ったりして、だんだん仲良くなれたので、係などもやった方が仲良くなるきっかけが作りやすいと思います。

――「研修合宿」の宿では、自由時間にどんなことをしましたか?
Wさん 他の部屋の友達も一緒に、人狼ゲームやカードゲームをしながらおしゃべりして過ごしました。
Iさん 「人生とは何だろう」という壮大なテーマで、おしゃべりしました。高校生なので内容は薄いですが(笑)、時間がたっぷりあったので、普段は話さないようなテーマで話せて楽しかったです。
Kさん 私もWさんと一緒に、人狼ゲームなどを楽しみました。この人は嘘がうまいんだなどと(笑)、知らなかった一面を知ることもできました。
Nさん 高入生が二択の質問ノートを持ってきていたので、それを使って盛り上がりました。例えば、好きな異性のタイプは長髪か短髪か、浮気されたら許すか許さないかとかです(笑)。

――この学校のいいなと思うところを教えてください。
Wさん 最初は内進生も緊張していますが、慣れてきたらみんなウエルカムな感じで迎え入れてくれます。先生と生徒の仲がよくて、授業もみんなで話しながら進められて、授業も学校生活全体も楽しくないと思うことがほとんどありません。授業では、体育が一番好きです。11月の球技大会に向けて、授業の最後に音楽をかけてドッジボールをするのが楽しいです。
Iさん とにかく内進生がみんな本当に優しくて、温かいと感じます。Nさんと同じクラスですが、席が前後になったとき、彼女がたくさん話しかけてくれたので、私にとって恩人です。私も体育の授業は、楽しくできるのがいいなと思っています。部活は演劇部に入っていますが、みんなよいものを創り上げようという気持ちがあるので、後輩からも自由に意見を出せます。みんな優しくて面白くて、楽しく演技できるいい仲間が集まっている部活です。文化祭と12月のコンクールを目標に頑張っています。

Kさん クラスの雰囲気もいいです。授業中にペアになって話し合うことが多いですが、楽しく取り組みながらも、きちんとテーマについて真面目に考えて、答えを導き出せるところがいいなと思っています。先進コースは、一般選抜にも対応していて、理系の受験に必要な科目も選べるコースです。
Nさん みんな個性豊かで、困っているときに助けてくれる人が多いです。私は3歳から海外で暮らしていた帰国生で、中2のときに編入しました。初めて日本の学校に通うことになったので、日本の学校の仕組みもわからず、引っ越したばかりで自分の住所もわかりませんでした。生徒手帳に住所を書かないといけないのですが、わからなくて困っていたら、隣の席の人が「手伝おうか?」と話しかけてくれたのが嬉しかったです。
<取材を終えて>
人数の割合から考えると、高入生は友達ができるか不安があるかもしれないが、内進生も実は緊張していて、話しかけるきっかけを探していることがよくわかった。そのきっかけ作りとして、「研修合宿」は重要な役割を果たしている。友達が作れるか心配な受験生は、ぜひ4人の経験談を参考にしていただきたい。
所在地
〒135-8404
東京都江東区清澄2-3-15
TEL 03-3642-8041
- 東京メトロ半蔵門線・都営大江戸線「清澄白河」駅A3出口より約徒歩3分。
【 Back number 】中村高等学校のスペシャルレポート
![]() |
| NO.1【公開日:2021.6.18】 分析力・表現力・英語力を磨き 社会で使える力を育む3コースが始動! |
![]() |
| NO.2【公開日:2022.8.22】 「留学したい」という思いを叶え、異例の出発時期でも充実の10ヶ月! |
![]() |
| NO.3【公開日:2023.8.24】 歴史と伝統を受け継ぎ、様々な人に支えられて成長するバレーボール部 |
![]() |
| NO.4【公開日:2024.4.11】 苦手だから克服したい!仕事に活かしたい!「探究コース」で磨きをかけるプレゼン力 |
![]() |
| NO.5【公開日:2025.8.25】 「清澄祭」も生徒も進化し続けたい! 10月の開催に向けた実行委員の思い |




