学校説明会で見学したのがきっかけで科学部に入部
爬虫類や両生類をはじめ淡水魚や海水魚、サンゴなど50種類以上もの生き物を飼育しているのは埼玉県入間市にある狭山ヶ丘高等学校・付属中学校の科学部。中学生と高校生が一緒に活動する中高一貫校ならではの部活で、生き物の世話や観察を通して科学的な思考を身につけ、環境問題やいのちの大切さといったことについても学び合っている。

今年は男女4名の中学1年生を迎え、海や川で行うフィールドワークをはじめ研究活動や狭丘祭(文化祭)での発表に向けた取り組みなど多彩な活動が行われている。中1のHさん、Iさんはともに学校説明会で科学部に出会い、活動内容に魅力を感じて入部を決めたと言う。
Hさん:「中学受験を考えはじめた時に、家から比較的近いところだったので学校見学に行ってみました。科学部の見学もしたのですが、元々生き物が好きだったこともあってすごく魅力的に感じました。説明してくれた先輩方がとても詳しくて、この部活に入りたいなって思いました」

Iさん:「僕も学校説明会で科学部を見にきて、面白そうだなって感じました。学力がとても大きく伸びるという校長先生の話も響いて、入学しました」

「生物」に関する取り組みに力を入れる科学部の現在
顧問の宮腰先生によると、以前は「物理班」「化学班」「生物班」「地学班」の4班に分かれてそれぞれ研究活動を行っていたが、現在は生物を専門にする宮腰先生を中心に「生き物」に関する取り組みに力を入れていると言う。
週4回の活動は、主に餌やりや掃除といった生き物の世話が中心で「いつ、何個エサを食べたか」「水はいつ変えたか」など担当表をもとに中高みんなで協力しあって世話をしているそうだ。学年や経験、知識を問わず誰もが活動に参加できるような居心地の良い雰囲気が感じられる。

「僕自身、生き物の世話って苦手なんですけど、そういうところも含めて先輩方がサポートしてくれたり、宮腰先生もいろいろと教えてくれます。苦手なこともちょっとずつできるようになると嬉しく感じますし、勉強にもなります。生き物に対しての愛着もどんどん湧いてきて。とても良い部活だなと思います」とIさん。
Hさんも「みんなでお世話をしているのが楽しいです。元気が無かったり餌を食べなかったりした時もみんなでアイデアを出しながらどうしたら食べてくれるか、どうしたら元気になるのかって話し合います。質問したいことがあれば、先輩や先生がいつも話を聞いてくれます」と充実した時間を過ごしているようだ。
日々の世話や観察を通して育まれる「生き物」への愛着
なかなか自宅では飼えないような希少な生き物もいる中でそれぞれ好きな生き物について教えていただいた。
Iさん:「ガーゴイルゲッコーっていうヤモリの仲間がいて、めちゃくちゃ可愛いんです。特に飼育ケースの壁にペタペタと貼り付いているその手が可愛いんです!」
Hさん:「そう、あの手が可愛いよね。私はヒョウモントカゲモドキが好きなんですけど、同じ種類でも模様とか性格とかが全然違っていて、一人ひとりが可愛いなと思います」

好きな生き物について語るその表情を見るだけでいかに好きかが伝わってくるが、「一人ひとり」と呼んでいるあたりも生き物への深い愛情が感じられる。
部活を通して育まれる主体的に取り組む姿勢
学校説明会で語られた「学力が伸びる」というメッセージがIさんのやる気に火をつけたように、同校では学業を軸とした熱心な教育が行われ、部活もまた知的好奇心や探究心を高めるための活動として位置づけられている。狭丘祭(9月)や私学文化祭(11月)で研究活動の発表を行うのもそのためで、科学部の大きな取り組みのひとつとなっている。
宮腰先生:「なるべく多くの生徒に研究活動をしてもらいたいと思っています。研究というのは背景と目的がすごく大切で、それを見つけるひとつの手段として日々の世話があります。そこで気になったことや気づいたことを調べて研究のかたちにして欲しい。こちらからこういう研究をやってみてというのではなく、本人たちからこういうことを調べてみたい、やってみたいという意思を尊重しています」
不老川での「水生生物の生態調査」(6月)や飯能市の有馬渓谷で行った「マス釣り体験」(7月)といったフィールドワークも、生徒のアイデアをもとに実現した取り組みで、部活を通して主体的に取り組む姿勢が育まれているようだ。
ほかにも恒例イベントのひとつに神奈川県の三浦半島で行う海辺のフィールドークがあり、岩場や海辺に棲息する海洋生物を採集するなど貴重な経験ができるのも科学部ならではの魅力だろう。
学ぶ意欲を高め将来へと全力でサポートしてくれる場所
最後に今後の目標や将来の夢についてそれぞれ話を伺った。「まず科学部で飼っている生き物たちを全員飼育できるように、一つひとつきちんと知識をつけてからさらにいろんな生き物と触れ合いたいなと思います」とIさん。
宇宙にも興味があるようで、「将来は宇宙をテーマに研究したい。宇宙にある物質とかエネルギーについて解明していく人になれたら良いなと思っています」と語る姿は自信に満ち溢れ、理科好きの探究心が伺える。
Hさんも「とにかく生き物が好きなので、動物園や水族館にも行っていろんな生き物に触れ合って、一つひとつ自分の知識にして、いろんなことがわかるようになったら良いなと思っています」と好きなことをとことん追求できる学びに対する意欲の高さが伝わってくる。
Hさんは海の生き物にも関心があるようで、「将来は海の生き物とか海に関すること、海で起きていることとか海底に何があるのかとか、そういうことを調べてみたいので東京海洋大学とかに行ってみたいなと思っています」と明確な目標についても語っていただいた。
小学生の頃から「勉強が好きだった」と語るふたりにとって、勉強することの大切さや面白さを伝え、分からないことや知りたいこと、やってみたいことを全力でサポートしてくれる同校また科学部の存在はまさに理想的な出会いだったに違いない。
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