藤原遥人の東大合格体験記 第8回 東大に入ってこんなことしてみた!【文化祭編】

前回に引き続き東大生になってからの話です。東大では5月に本郷キャンパスで行われる五月祭と、11月に駒場キャンパスで行われる駒場祭という、年2回の文化祭があります。高校時代はコロナでまともに文化祭ができなかった分、大学では色んなことに手を出して文化祭もめちゃくちゃ楽しみました! この記事が受験生のモチベーションになれば嬉しいです。

五月祭

クラスでポップコーンの出店をしました。五月祭では、一年生の全クラスがそれぞれ食べ物を売る店を出して、自分たちで試作、仕入れ、会計をしてお金を稼ぎます。わたあめや唐揚げ、サータアンダギーなど基本何でもありますが、特に東大生らしい奇をてらった出店はありません。僕のクラスはポップコーンの塩味を200円で売ることになって、クラス35人から3000円ずつ集めて中心の子が材料と機材の仕入れをしてくれました。クラスLINEで皆んなの空いてる日程を集計してエクセルでシフトを組みます。この辺りの事務的な仕事は東大生にかかれば早いです。

ポップコーンを作る係と売る係に分かれて売り上げを立てます。僕は直前まで準備に関わっていなかったので、売る係としてトップセールスマンになりたくて奮闘しました。出店場所がキャンパスの奥の方で不利だった中、僕はひたすら来場客に話しかけまくってクラストップの営業成績を打ち出しました。年齢層ごとに話し方を変えて試行錯誤した結果、なんと3時間で60食も売りました。

中高生には食べながら受験勉強のコツを教えてあげる家庭教師スタイル。年配の方には今、全然売れてなくて赤字になってしまうので助けてください! という懇願スタイル。大学生には会話を盛り上げて勢いで買ってもらう歌舞伎町スタイル。開成の後輩には「先輩だぞ?」の圧で買ってもらう押し売りスタイル。相手が頑なだったら、ジャンケンで僕が負けたら人数分奢るよという捨て身スタイル。

この巧みなスタイルの使い分けでクラスの大黒柱へと上り詰めました。利益はクラスみんなで分け合うので、後日一人6000円還元されました。

そして五月祭ではダンスサークルの出番もありました。1年生は入学して1ヶ月しか経っていないので出番があることは多くないのですが、僕の入ったダンスサークルは新入生チームとしての出番を用意してくれました。ゴールデンウィークにサークルの合宿で練習して一週間後本番、というスピード感です。ダンスは高校時代に1年だけやっていましたが、ステージで踊ることが初めてだったので良い経験になりました。

ただ、兼部してるジャズサークルの方が楽しくなってきちゃったのと、ダンスサークルはそこまで仲良い友達ができなかったので五月祭以降はあんまり行かなくなりました。4月にいっぱいサークルに入ったので、この時期からちょっとずつ合う合わないで絞っていきました。

五月祭の時期は東大に入りたてで、「東大生になったんだ!」という高揚感があったので、小学校時代の友達や従兄弟を呼んで一緒に回ったりしました。あとは新歓期に色んな部活やサークルの新歓に行って出会った友達のクラスの出店に行って喋ったりご飯を食べたりするのもできたので、文化祭も途中で飽きることはありませんでした。五月祭の最終日が終わったあとはクラスの仲良い友達の家に3人で集まってお好み焼きパーティーもしました。

高校時代の文化祭は高1は無観客、高2は親しか来れない、高3は文化祭に参加しない代、で3年間通して文化祭をしっかり楽しめなかった分、「文化祭ってこんなに楽しいんだ…」と噛み締めていました(笑)。

駒場祭

クラスでわらび餅の出店、ジャズサークルの出番、ミスコンのステージMCとパンフレット販売をしました。駒場祭はやることがいっぱいで、3日間途切れることなく動いていました。

まず、クラスのわらび餅。五月祭の時と勝手は同じで、駒場祭でも一年生の全クラスがご飯のお店を出します。僕はマカロンを提案したのですが、グループLINEの投票で1票も得られず脱落。わらび餅を300円で売ることになりました。僕は五月祭でクラスの大黒柱に上り詰めたので、「今回も任せたぞ」とクラスメートに期待される中、わらび餅300円と書かれたプラカードを抱えて場内を走り回りました。

ただ駒場祭が五月祭と違うところは、入学して相当時間が経っていることです。東大の中でも仲良いメンバーが固まってきて、交友関係が広く浅くから狭く深くに移行してきました。仲良い友達はわざわざわらび餅を買いに来てくれて、来てくれたらベラベラ喋ってしまうのでそれだけで楽しくて、来場客にどんどん話しかけて売りまくる楽しさが不要になりました。よって身内に買ってもらった売り上げしか残せなかった僕は、トップセールスマンの称号が剥奪されて来年からは戦力外通告が来ると思います。

ジャズサークルの出番もありました。4月から入っている他大学のジャズサークルの公演があったので、ピアノ担当の僕は1曲だけ参加してソロパートもやりました。

そもそもジャズサークルは1.2ヶ月に一回、他大のジャズサークルと合同でお互いに演奏を披露し合う対バンを行います。毎対バン演奏する曲を変えるので、その度に楽譜を準備してYouTubeで原曲を聴きながら耳コピしてみんなで音を合わせて、を繰り返します。半年間そんな生活をしてきて気付きました。ピアノ自体は小さい頃から10年間やってきたけど、ジャズってやっぱりめちゃくちゃ難しいです。楽譜には音符の代わりにコードがあるだけで、自分で和音を組み立てたりかっこいいソロをアドリブで弾けるようになるにはもっと何年も時間がかかりそうです。でもジャズが弾けたら世界中でセッション友達ができそうなので、もうちょっと頑張ってみようと思います。

ミスコンの運営は駒場祭で一番頑張りました。日中はミス・ミスターの人と一緒に投票用紙付きのパンフレットを売ったり、ミスコンはその性質上苦情が集まりやすいので、来場客や駒場祭実行委員会の人と折衝したり、ミスに変なおじさんが近寄りすぎないようにボディーガードをしたりと、キャンパスを走り回りました。夕方はミス・ミスターが自分をアピールしたりゲームをして会場を盛り上げるステージのMCをやりました。このMCは2日前に急に決まって、台本は当日の朝に先輩から完成版を渡されました。人前に出るのは好きなので正直MCが決まって嬉しかった反面、ミス・ミスターは全員先輩の東大生だったので、先輩達の中で自分が上手く場を回せるか不安でかなり緊張しました。

MC自体も初めてだったので何を参考にすればいいか分からなくて、前日にYouTubeでバラエティのMCを見漁りました。そのせいで「何か面白いツッコミを入れなきゃ!」が先行して、シュールなたとえツッコミを考えて時間かかっちゃったり、ちょっと関西弁のイントネーションになったりしました。本当に余計なことをしたと思います。

お母さんとおばあちゃんが僕の司会ぶりを見にきてくれました。主役はあくまでもミス・ミスターなのに、僕が司会の最初の挨拶をすると最前列から「はると〜!!」って叫んできたのはほんとに勘弁して欲しかったです。ステージの間の動画を撮ってくれてて、夜家でその動画を見ながらMCの反省会をしました。このツッコミはもっと大きい声で食い気味に言った方が良いとか、このくだりはよかったとか、お客さんをこう巻き込まなきゃいけなかったとか、凄く具体的に刺してきました。でも参考になったので、来年以降にMCすることがあったら活かそうと思います。

駒場祭の日の夜も最高でした。2日目の夜は友達の誕生日パーティーをして3日目はそのまま皆んなで駒場祭に向かったり、最終日の夜はミスコンの運営メンバーで打ち上げをしたりしました。

これだけ大学に入ってからできた友達と仲良く色んなことができて、五月祭と駒場祭だけでも東大に入ってよかったと思うほど、最高の思い出ができました。

著者紹介

藤原 遥人(ふじわら はると)

学校で教えないことを高校生が中学生に教え、勉強の面白さを伝える塾、寺子屋ISHIZUEの創業者。開成高校卒業。現在東京大学文科一類に在学中。大学ではダンスサークルとジャズオーケストラのピアノ担当で活動中。

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