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藤原遥人の東大合格体験記 第7回 東大に入ってこんなことしてみた!【新歓期編】

これまでの記事では東大に入るまでのことを書いてきましたが、ここからは、入ってからこんなことしてます! という話をさせてください。現在大学一年生の12月で、入学して半年しか経っていませんが、面白い友達が沢山いて、新しい経験がいっぱいできて、こんなに東大の大学生活が楽しいとは正直予想していませんでした。勉強に追われている受験生に、入ったらこんな生活があるんだとワクワクして欲しいです。

新歓期

新歓とは、部活やサークルが入学したての一年生に入ってもらうために開く新入生歓迎の交流会や練習会、公演のことです。入学したての4,5月が山場です。新しい出会いが多くて、この時期に友達ができると大学生活が楽しくなること間違いなしです!

topic:東大基本情報
東大の男女比は男:女=8:2なので、僕のクラスは35人中女子は6人だけです。理系なんて男しかいないクラスも沢山あります。出身高校は、8割は都内の進学校や地方のトップ校出身で、たまに地方の普通の学校から数年に一度の秀才として東大に受かる子がいます。この時期の東大生同士の最初の会話は、「高校どこ?」と「サークル何入った?」から始まります。他のクラスの子と話すときは「科類(学部)何?」と「何語選択?」からです。開成出身の僕は、学年に200人くらい同じ高校出身の子がいて、大体どのクラスにも1.2人知り合いがいるので、共通の友達がいて話を広げやすかったです。あと地方の子からしたら珍しかったようで、「開成ってあの開成!すげぇ」と羨望の眼差しを向けられるのがちょっと気持ちよかったです。

クラス

4月頭には、なんとできたばっかのクラスでクラス旅行があります。入学して初めてこれを知った時はびっくりしました。そもそも東大では、入学する段階で勉強したい第2外国語の希望を出します。その言語に合わせてクラスが割り振られ、週に3回クラスを受けるので、基本大学ではほぼ毎日顔を合わせることになります。例えば僕は文科一類という学部に入ってスペイン語を選んだので、「文一スペイン語10組」みたいな感じです。クラス合宿では2年生の「文一スペイン語10組」が企画して、1年生の「文一スペイン語10組」一泊二日の旅行に連れていきます。僕のクラスは那須に行ってBBQしたり遊園地に行ったり洞窟に行ったりしました。他のクラスは東京駅で鬼ごっこしたり、日帰りで横浜とお台場に行ったり、というコンパクトな旅行をするクラスもあったそうです。

大体このクラス旅行で仲良いグループができ始めます。僕は大阪出身のコテコテの関西弁のイケメンくんと福岡出身の、なんで東大に受かったのか分からないボケーっとしてる子と仲良くなりました。二人とも一浪して東大に入り、駒場キャンパスの近くに一人暮らししているので週2.3回泊まりに行ったり3人で餃子パーティーをしたりしてすぐ仲良くなりました。3人で夏休みに海外旅行に行く予定も立てたりして、実際に8月に一週間バリ旅行をしました。めちゃくちゃ楽しかったです!

東大には全国から学生が集まります。うちのクラスは半分くらい関西出身の人がいたのでクラス旅行中はだんだんみんな関西弁が移っていって、東京出身の子のエセ関西弁が横行していました。僕もなんでやねんって言っちゃいました。

夜はクラスの中で役割を決めます。クラスでやるパーティーを企画する「パ長」や、みんなで試験対策のプリント(試験プリント)を分担して作る「シケプリ係」など、役割が10個くらいあって分け合います。僕はこういうのを責任持ってやり切れないので何も立候補しませんでした。そして2年生の先輩に履修の組み方を教えてもらいます。この授業は必修だから出席しなきゃいけないよとか、この授業は楽に単位が取れる「楽単」だから取るといいよとか、先輩が1年間東大生活を送って培ったノウハウを伝授してくる会です。僕はこの話の重要性を知らなくて何も聞いていませんでした。お陰で後で痛い目を見ます。

クラス旅行の帰りは、自分の東大入試の点数がネットで開示される日と重なったので、帰りのバスの中でみんなで見せあったりしました。「合格最低点1点差でギリギリ受かってた!」っていう人がいたり、「合格最低点+50点で余裕だったわ」という人がいると盛り上がります。うちのクラスに一人、文系の首席合格者が混ざっていたので、どよめきでバスが揺れました。多分世界を動かす人材になるので、生意気なことは言わないようにしようと決めました。

クラス旅行以降のクラスの関わりと言ったら、授業以外では、年に2回行われる文化祭で一緒に出し物をしたり、来年後輩をクラス旅行に連れて行く番になった時に旅行の企画をしたりするくらいです。周りの友達を見てる感じでは、大学の友達はクラスの仲良い人数人と部活やサークルで仲良い人数人、という構成が多いように思えます。部活やサークルに比べてクラスは興味や性格がバラバラの人が集まるので、めちゃくちゃ気が合う人がいたらラッキー、くらいに考えておいてください。僕はたまたま親友ができてラッキーでした。

部活・サークルの新歓

東大の新歓は気合が入ってます。入学式は4/12ですが、3月後半から部活やサークルの新歓がスタートします。特に僕の出身校の開成や他の進学校では先輩後輩の繋がりが元々あるので、1年生を沢山勧誘したい先輩は、東大に受かった高校の後輩を10人集めてLINEグループを作ってご飯に連れて行く、という風習があります。僕はこれでラクロス部の新歓に行ってもんじゃ焼きを奢ってもらいました。基本新歓はご飯を奢ってもらえるので、1年生からしたら先輩と繋がりが作れてタダ飯が食えるのでメリットしかありません。先輩達は色んな1年生の中で面白そうな有望な1年生を見つけ出して他の部活やサークルに取られたくないので、気に入った1年生には後日サシでご飯に行くのを誘ったりします。

4月頭になると、「テント列」というイベントが発生します。入学必要書類を取りに登校する新入生が建物の外に出ると、何十個ものイベント用テントがズラーっと並んでいて、それぞれのテントで部活やサークルが新入生を勧誘しています。新入生は訳がわからず配られたビラを片っ端からもらって、出口に着く頃にはランドセル幅ぐらいに増えているんです。僕こういうイベントが大好きなんです!大学を出たら次の予定までスタバに行って、じっくりビラを見ながら「あり」「ちょっとあり」「なし」の3つに分類しました。「あり」と「ちょっとあり」の部活やサークルは、ビラの下に乗ってるインスタアカウントをフォローして新歓の日程を確認して自分のカレンダーを埋めていました。このフォローするアカウントが多すぎて、僕は新歓用のインスタのアカウントを新しく作ったりもしました。

行きたい所が多すぎて、一日に3つハシゴすることもよくあったので、全部で60個くらいは行きました。行きすぎて、ご飯会で先輩達に沢山奢ってもらえたので4.5月の食費が浮きました。特に覚えてる所はこの辺です。

・アイスホッケー部:深夜1-4時の練習会に行ってきました。
・ボディビル部:東大らしくペンとメモ帳片手に記録しながら筋トレする部活です。
・ヨット部:船酔いで向いてなかったです。逗子の海鮮丼奢ってもらいました。
・ダンスサークル:ダンスはやろうと思ってたので比較のために3つ行きました。
・ジャズサークル:ジャズもやろうと思ってたので早稲田や明治や青学も行きました。
・お笑いサークル:新歓公演で先輩の漫才を見てきました。面白かった!
・書道部:部長が開成の先輩だったので、「開成」習字対決をしました。
・水球部:水球が一番過酷なスポーツだと思います。息できません。
・馬術部 :馬の名前が「ライデンユニバース」とか、競馬みたいでした。
・アフリカ留学サークル:ウガンダの怖いお面をもらいました。
・立て看板同好会:留年ばっかしてるひげモジャのおじさんみたいな人が部長でした。
・稲作サークル:田舎で米を作って食べる幸せなサークルです。
・バンド:みんなめちゃくちゃうまかった!

大体練習会とか新歓公演が終わった後は、近くのご飯屋さんに行ってお話しします(アフター)。東大生とは思えないかっこいい可愛い先輩に会ったり、めちゃくちゃお笑い的に面白い人に会ったりして、自分の中での「東大生」が広がりました。そしてこの時期に同期や先輩といっぱい喋ったおかげで、いつ大学の食堂に行っても知ってる人が絶対一人はいる状態になりました。やっぱり出会いも多いもので、この時期が大学生活の第一次恋愛ブームでもあります。僕にも春がやってきました。

僕の中では、高校時代にHIPHOPをかじっていて、小さい頃からピアノをやっていたので、ダンスサークルとジャズサークル(ピアノ担当)に入るか、何か新しいマイナースポーツの部活に入って4年間打ち込んで、あわよくばオリンピックに出場するか、2つの選択肢で揺れていました。

結局これだけ新歓に行った中で、絞りきれなかったので8個くらい入っちゃいました。ダンスサークルとジャズサークルは当初の予定通り入って、他にもゆるく活動してるサークルにちょこちょこ、そして書類と面接で選考がある、ハーバード大学に一週間留学できるサークルにも入りました。普通は1個か2個入る人が多くて、めちゃくちゃ暇な人じゃないと何個もサークルを掛け持ちできません。僕は高校時代起業したり勉強したりしてガッツリ友達と遊びまくる時期がなかったので大学1年生は人生のリフレッシュ期間として楽しみたくて広く浅く色んなコミュニティに入りました。ただ段々コミュニティは絞って行くもので、結局半年たった今残っているのは3つくらいに減って、狭く深くなっていきます。

まとめ

他の大学に通う友達に聞くのと比べて、東大は新歓期のイベントが沢山ある印象です。俺たちは東大生なんだ!という仲間意識の現れなのかもしれないです。お互いに全く相手のことを知らない状態で仲良くなるためには、色んなエピソードトークを持っておくと良いと思います。高校でこんな面白いことがあったとか、こんな彼女がいたとか、バイトでこんな嫌なことがあったとか、身内ネタじゃない面白い話が幾つかあれば最高です。そのためには高校時代から勉強ばっかじゃなくていっぱい遊んだり恋愛したり自分で何かに挑戦してみたり、普段から自分で考えて自分の角度から物事を見ていないとできないので、勉強ばっかになってしまっている受験生は気をつけてください。大学に入ってからが本番です!

著者紹介

藤原 遥人(ふじわら はると)

学校で教えないことを高校生が中学生に教え、勉強の面白さを伝える塾、寺子屋ISHIZUEの創業者。開成高校卒業。現在東京大学文科一類に在学中。大学ではダンスサークルとジャズオーケストラのピアノ担当で活動中。

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