藤原遥人の東大合格体験記 第9回 東大生ってこんな人

東大に入ってもうすぐ1年です。正直まだ受験が終わって大学生になった!という感覚が残っています。前回と前々回での記事で取り上げたように、僕は東大に入ってから新歓期や文化祭で人一倍動いて沢山のコミュニティに浅くも深くも参加してきたので、東大の中でも沢山のジャンルの東大生を知っていると思います。そこで今回は、東大生全員に共通している特徴や、東大生はこんな人が多くて、実はこんな変人もいるよという話をさせてください。僕の偏見が多分に入り混じっていることはご了承ください。

東大生の共通点

「いかとう」(いかにも東大生らしい見た目の、メガネで髪がボサボサで服もダサくてガリ勉なイケてない東大生)という言葉があります。昔に比べて「いかとう」の割合は下がってきていると思います。昔が8割で今が5割くらい。東大にもかっこいい人やかわいい人、話術があって面白かったりスポーツ万能で全国大会に出場したり、あまり「東大生らし」くない人も沢山います。つまり昔より「東大生」の種類が広がっていて一括りにまとめづらくなってきているのではないかと思っています。ある有名予備校講師が東大入試が20年前30年前と比べて簡単になってきていると言っていました。昔より誰でも入れる大学になったことで、今までだったら入れなかったような「東大生らし」くない人にも手が届くようになったのも原因の一つかもしれません。

そんな中、どうにか東大生の共通点を見つけようと僕が入学して1.2ヶ月で数百人の東大生と喋って気付いた共通点があります。それは、一人残らず根が真面目なところです。易化してきたとはいえ日本トップの入試を勝ち抜いてきているわけです。天才でも半年、普通なら1.2年、多くて3,4年しっかり勉強に向き合ってきています。公立小中学校出身の僕の感覚からすると、クラスの9割は勉強なんかサボって当然という環境だったので、10割が勉強するのが当然という環境の東大はある意味異常でした。それに東大はまぐれで受かるような大学ではありません。全科目記述式問題なので教科書や参考書を丸暗記するだけでは書けないのです。自分の頭で考えて物事の本質を理解した上で試験当日に見る初見の問題に一から答えるテストなので、人にやらされていやいや勉強してる人では無理です。

つまり、自分から興味を持って意欲的に学んで、数年間計画的に、そして途中で諦めずに勉強を続けられる人が東大に受かります。こんなの真面目じゃないとできないでしょ!

いつもボケーっとしてる人や授業中寝てばっかの人やゲームばっかしてる人がいますが、一人残らず根が真面目なので、彼らもやる時はやります。

自分から興味を持って意欲的に学べるので、新しいことに手を出すことに臆病じゃないし、学習能力が高いのでみ成長スピードが高く、計画性があって途中で諦めずに続けられるのでぐんぐん上り詰めていきます。例えばプログラミング経験がないのに全国的なプログラミング大会ハッカソンに出場して期間内の一週間で勉強を詰め込んで部門賞を受賞した子や、大学からアメフトを始めて分厚い東大流の作戦ブックを覚えて体重の増量の仕方も勉強して3ヶ月で20kgも増量し一年生のキャプテンになった子や、0から独学で中国語を勉強して1年で中国語のニュースを聞いたり日常会話が問題なくできるようになった子など、例をあげたらきりがありません。そもそも好奇心が強いので新しいことに手を出すハードルが低く、手を出した分野で効率的に成長していっているという印象です。

特に言語やプログラミング・デザイン、株式投資、資格の勉強や個人スポーツなど、努力の方向と量が正しければ必ず成長するような部門においては東大生の得意分野なので、仮にまだ手を出していなくても興味を持って取り掛かれば普通の人の何倍ものスピードで一人前の域に達すると思います。ここが企業が学歴で新卒を採る一番の理由なのだと思いました。

学習能力が高いのは、受験勉強において自分の勉強法を模索して、試行錯誤して再現性を見つける癖がついているからだと僕は考えています。この再現性というのが大事で、また同じミスをしないためにこういうルールを作ろうとか、今正解できたのはここに意識できたからだからこれからも意識できるように覚えておこうとか、勉強に限らずどんな分野でも必要な要素です。だから東大生はお笑いにも再現性を求めます。グループで喋ってて自分の話や友達とも掛け合いがウケた時はなぜウケたのかを分析して、滑ったらなぜ滑ったのかを分析します。またウケるようにそして滑らないように話の内容やペース、声のトーンや表情を研究していくので、入学時に会った時より周りの友達がもっと面白くなっていってます。女の子にモテるためにも、成功した回と失敗した回のPDCAサイクルで成功率を上げるための努力をコツコツする人が多いです。再現性を求める真面目さも、東大生は持ち合わせているんですね。

周りの友達になぜ東大を目指したのか聞いたところ、楽しくてただ勉強してたら受かってしまったとか、この勉強が東大でしかできないからやりたくて、いう純粋な理由を持つ人はほとんどいませんでした。僕を含め、東大に行くことが今後のキャリアにプラスになるからという理由で戦略的に東大を目指した人が大部分です。僕はこれは悪くないことだと思っていて、元々興味はなかったけどやった方がいい勉強に対して、自分から興味を持って自律的に勉強をする能力は今後一生使えるものだと思います。お母さんにやれって言われてとか、宿題を終わらせるためだけに勉強する人が多い中で、自律的に勉強して結果を出せるので、自分でやるべきことを考えて実行に移せるのが東大生です。みんなが自分の意見を持っているので、議論が白熱したり、思考を深めすぎて尖った考えを持つ人も出てきます。

あと単純に、みんな頭の回転が速いので、難しい話をする時も噛み砕く手間なく難しい言葉のままで話が伝わるし、1から10まで説明しなくても察してくれる所は、ストレスがなくて心地がいいです。また頭の回転の速さに加えて思考の深さもあるので、すぐに結論を出さずに、自分の考えはあくまでも現時点での考えにすぎないと達観できていたり、人の話を聞く時もすぐにその人の意見を判断せずに、相手が持っているであろう色々な背景や前提にまで考えを巡らせられるので、頭から否定したり人の悪口を言うことがあまりありません。この部分は、「頭がいい子」ってどんな子?というタイトルの第2回連載でも書いたことで、東大生と話しててシンプルに賢いなと感じる瞬間です。

変人東大生図鑑

僕が今まで出会った変な東大生の友達を紹介します。彼らも上で書いた東大生の共通点は持っていて根は真面目なのですが、その好奇心が変な方向に向かっていってこうなったんだと思います。あくまでもはずれ値なので、こんな人ばっかりなんだとは決して思わないでください。

・高校中退、大学から立教に行くも中退して浪人して東大に来た女の子
彼女のインスタにはヒッチハイクで全国を巡った写真が溢れています。両親は東京に住んでいるのに一人暮らしがしたくて、でも固定費払うのが勿体無いからと家の光熱費を契約せず、明かりなし水道なしで生活をしています。朝は公園の水道で水を飲んで大学のシャワーを浴びてから授業に出席。RedBullでわらしべ長者をしてヨーロッパで一週間過ごすプログラムや、山奥で一週間無政府主義者と過ごす学生10人のプログラムなど、毎回どこで見つけたのか分からない外部のプログラムを紹介してくれます。カメラが上手くて服のセンスも良くて身長も高い、かっこいい友達です。

・灘高出身でボディビル部に入っている先輩
高校時代はミスター灘で、大学生になってからは仮面ライダー俳優の登竜門と言われるジュノンボーイコンテストにも出場したイケメン。関西出身でコテコテの関西弁でツッコんだりボケたりして盛り上げてくれる人気者です。ただボディビル部員なだけあって脳筋で、体が大きくなることが正義の世界観で生きているので、何か良いことがあったら「デカイ」、悪いことがあったら「小さい」の2つの形容詞しか発せなくなってしまいました。先輩に誘われてボディビル部の体験に行くと、ごつい男達が全員デカイ、小さいとブツブツ言っていて気持ち悪かったので、丁重に入部を断りました。

・北海道出身で、熱くなると北海道弁が出てくる金髪ギャル
居酒屋とキャバクラでバイトしているので羽振りが良いです。不良の多い高校から出た数年ぶりの東大合格者として高校のパンフレットに合格体験記が載っていて、読むと高校時代に暇だったので英検1級を取ったり簿記2級を取ったり、見た目とのギャップが凄くて引きました。父親が浮気性だったらしく、お母さんと妹と3人でこっそり父親に付けてたGPS目掛けて浮気現場に突入してた話を楽しそうにしてくれます。明るくて周りに気を遣える優しい友達です。

・開成出身で1浪して東大に来た先輩
1つ学年が上の高校同期と学校に来て授業に行かずに食堂でボードゲームをしてたら留年してしまい、高校同期との差がもう1年できてしまった残念な人。ところが彼自身は全然気にしていないらしく、2個下の同級生と一緒にお笑いコンビを組んでキングオブコントやM1の予選に出場したりしているそうです。彼は留年している分東大のことを一番よく分かっており、楽に取れる単位「楽単」や成績評価の仕方を熟知しているので、履修登録の時にお世話になりました。

・文学オタクの女の子
ドストエフスキーを読んだことのない男子は恋愛対象にならないと言っていました。デートする時も古本文学が売られているフリマに一緒に行ってどの本を手に取るかでその人がアリかなしかを判断するらしいです。男5女1で学食でご飯を食べていて、ひたすらその子がマシンガントークをして男子に喋る隙を与えていなかった現場を目撃しました。友達の友達で、1回しか喋ったことないけどインパクトが強烈で脳にこびり付いている子です。

このレベルが20人に1人くらいいるのが東大です。

著者紹介

藤原 遥人(ふじわら はると)

学校で教えないことを高校生が中学生に教え、勉強の面白さを伝える塾、寺子屋ISHIZUEの創業者。開成高校卒業。現在東京大学文科一類に在学中。大学ではダンスサークルとジャズオーケストラのピアノ担当で活動中。

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