
実際にコピー用紙は何回半折にできる?
手元に1枚のコピー用紙を用意してみましょう。何回半折りできるでしょうか。がんばって6回程度です。このとき、折ったコピー用紙は指でつまむことができる厚さになります。
折った時の厚さは1回折る度に2倍になります。6回折った場合に元のコピー用紙の厚さの2×2×2×2×2×2=32倍になる計算です。これ以上は折ることができません。計算して考えてみることにします。
「ざっくり計算」で答えにせまってみよう
コピー用紙の厚さは100枚で8mmほどになることから1枚0.08mmとわかります。これをキリの良い0.1mmとすれば計算が楽になります。さらに、10回折ると2の10乗倍になりますが、2の10乗を計算してみるとやはりキリの良い数が見えてきます。
これより、20回折ると10回折ったときの千倍のさらに千倍になり、30回折るとそのまた千倍、40回折るとそのまた千倍となることから、240はざっくり1012と計算できます。

さて、コピー用紙を0.1mmとした場合、これをまずはm(メートル)に単位を変換しておきます。1m=1000mmから1mm=0.001m、これより0.1mmは0.1×0.001m=10-4mとわかります。
したがって、0.1mmのコピー用紙を40回折ると、その厚さは0.1mm×240ですが、0.1mmを10-4m、240を1012として計算することで108mとなります。1km=103mなので108m=105kmすなわち10万kmということです。

41回、42回、43回を計算
地球と月の間の距離は約38万km(正確には384,400km)です。40回折ると10万kmなのであと一息です。41回で20万km、そして42回で40万km。38万kmを超えたので答えは42回です。

コピー用紙の厚さが0.08mmの場合
ではより正確にコピー用紙が0.08mmの場合で計算してみます。上の計算で変わるのはコピー用紙の厚さの部分です。0.1mm=10-4mより、0.08mm=8×10-5mとわかります。
40回の場合、0.1mmで10万kmなので0.08mmでは8万kmとなります。41回では16万km、42回で32万km、そして43回で64万km。38万kmを超えたので答えは43回です。ちなみに、計算機を使えば、0.08mm×243=70万3687.44177664kmが得られます。

指数を使わない計算
このように桁数が小さい・大きい場合に指数は大活躍します。ただし指数の計算に慣れないと逆に手こずることになります。指数を使わない計算をみてみましょう。0.08mmのコピー用紙を40回折った場合の厚さは
0.08mm×8×1000×1000×1000×1000=640000000000mm
と計算できます。このとき、両辺の0の数を注意深くチェックします。
次に1000mm=1mだから
640000000000mm=640000000m
さらに1000m=1kmだから
640000000m=640000km
となり、64万kmとわかります。
「0乗は1」の簡単な説明
連載第8回 どうして0乗は1になるの? 前編、第9回 どうして0乗は1になるの? 後編の最後に紹介したのがコピー用紙を使った説明です。あらためて解説してみます。
1回折ると2倍、2回折ると4倍はそれぞれ2の1乗、2の2乗です。では0回は? 0回とはコピー用紙を折らない、厚さはそのまま、すなわち「1倍」です。つまり、2の0乗=1ということです。

執筆者プロフィール

桜井 進(さくらい すすむ)
1968年山形県東根市生まれ。サイエンスナビゲーターⓇ。株式会社sakurAi Science Factory 代表取締役CEO。東京理科大学大学院非常講師。東京工業大学理学部数学科卒。同大学大学院院社会理工学研究科博士課程中退。小学生からお年寄りまで、誰でも楽しめて体験できる数学エンターテイメントは日本全国で反響を呼び、テレビ・新聞・雑誌など多くのメディアに出演。著書に『雪月花の数学』『感動する!数学』『わくわく数の世界の大冒険』『面白くて眠れなくなる数学』など50冊以上。「桜井進の魔法の算数教室」と「桜井進の数学浪漫紀行」を毎月開催。
サイエンスナビゲーターは株式会社sakurAi Science Factoryの登録商標です。
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