聖学院と合同で、資源・環境をテーマとしたエコプロジェクトに取り組み5年。インプットだけでなく、アウトプットにも注力するように活動も進化している。
2021年に聖学院と合同で立ち上げた「SDGsプロジェクト」。初年度は「防災・共助」、2022年度からは「環境エコ」をテーマとし、「菜園・コンポスト」、「資源活用」、「エネルギー」、「フードロス削減」の4つのチームに分かれて活動をしている。「菜園・コンポスト」チームは、学内で廃棄される生ゴミからたい肥を作り、それを校内菜園の土づくりに活用。「資源活用」チームはプラスチックゴミの削減、「エネルギー」チームは電気使用量を減らす省エネと、ソーラーパネルで電気を作り、火力による発電量を減らす創エネの2つのアプローチで啓蒙活動を実施。「フードロス削減」チームは、食材を極力捨てずに美味しい料理作りを競う「クッキングバトル」の開催や、フードパントリーの活動を行っている。
また、これまで「環境エコ」に取り組んできたオンゴーイングのチームとは別に、今年度から新たに、「ジェンダー・平等」、「街づくり」、「貧困・健康」、「環境エネルギー」の4つのパイオニアチームを作り活動している。そして各チームは、11月の記念祭(文化祭)で発表をしたり、3月の「SDGsデー」では聖学院小学校の児童に向けてワークショップも実施している。
なお、聖学院中⾼、⼥⼦聖学院中⾼、聖学院⼩の3校は2025年、ユネスコスクールに正式に認定されている。
同校単体でのSDGsの取り組みでは、毎年「戦争と平和を考える」をテーマに全校生徒が感想文を作成したり、ボランティア活動としておむつや介助タオルを作り、老人ホームなどの施設に送ったりしている。
また、理科の授業では防災、家庭科で食生活、国語で薬物防止標語の作成、保健体育は障がいについての学び・パラスポーツ体験というように各教科がSDGsに関する学びを展開し、さらに近年では、中1社会科で朝日新聞社と連携したSDGsに関しての特別授業を実施したり、中3で始まった沖縄修学旅行を中心とした平和をテーマとした探究活動など、新たな取り組みを行っている。
生徒インタビュー
・聖学院高校2年K・Sさん
菜園・コンポストチーム(活動2年目)
・女子聖学院高校1年C・Mさん
エネルギーチーム(活動2年目)
・女子聖学院高校1年S・Sさん
資源活用チーム(活動2年目)
・聖学院中学校3年Y・Kさん
ジェンダー・平等チーム(パイオニア)
・女子聖学院中学校3年A・Tさん
街づくりチーム(パイオニア)
チームでどのような活動をしているのですか?
K・Sさん
昼休みに学食の生ゴミを回収し、コンポストでたい肥を作り、屋上の菜園で野菜を栽培しています。今年度から回転式のコンポストを使っているので、混ぜる作業が楽になりました。また、初めての試みとして、唐辛子を記念祭で、ハーブをハーブティーに加工して学校説明会で販売し、その際に必要な食品衛生責任者の資格も取りました。
C・Mさん
節電をするために、エアコンの暖房を25℃以下にするエネルギー削減週間を設け、みんなに協力を呼びかけました。また今年度は、菜園・コンポストチームと連携し、ソーラー式の自動散水器を設置しました。今は、SDGsに協力したらポイントを付与するなど、SDGsに関心をもってもらう仕組みを作っているところです。
S・Sさん
昨年に引き続き、江の島のビーチクリーンに参加しました。今回はSDGsのメンバー以外にもポスターで募集をかけ、30人くらいが集まりました。ビーチクリーンを通してマイクロプラスティックの問題も知ってもらい、「これからマイボトルを使うようにするよ」という言葉を聞いた時は嬉しかったです。また、電力削減と同じ週にペットボトル削減週間を作り、協力をお願いしました。
Y・Kさん
僕たちのチームでは2つのプロジェクトを考えました。1つは男子トイレに仕切りを作ることです。神奈川県の小学校で前例があり、好評だったと聞いて、自分たちもプラベニで仕切りを作り、中3を対象に1週間限定で調査をしてみました。アンケートでは約7割の人が良かったと回答していたので、次回は全学年に調査を広げる予定です。2つめは、幼稚園児を対象に好きな色で好きな服を作ってもらうことです。男子・女子の好きな色には固定観念があるので、まずは園児に好きな色を選んでもらうところから始めようと思っています。
A・Tさん
SDGsが学べ、同時に聖学院小学校近辺の街を知ることができるゲームアプリを作っています。小学生が楽しめる内容にするために、赤羽の児童館へ行って資料を集め、そこで地域と関わることもできました。今は、3月のSDGsデーに向けてアプリの仕上げをしています。
プロジェクト活動のやりがいや、活動を通じて成長したと思うことはありますか?
K・Sさん
プロジェクトを仕切るというより、裏方で作業する方が好きなタイプでしたが、食品の販売はビジネスに関心が高いこともあって、リーダーとしてみんなを引っ張っていきました。その点が成長したのかなと思います。
C・Mさん
以前より資料作りが得意になりました。新しいことを始めるには企画書を作成して、先生と交渉をしなくてはなりません。今まで一番大変だったのは、一昨年に太陽光パネルを学校に設置するための企画書作りでした。その経験が今に活かされていると実感しています。
S・Sさん
私は中3の途中からプロジェクトに参加しました。最初は教わってばかりでしたが、高1になると先輩たちも忙しくなり、企画書の作成や先生とのやり取りを任されるようになりました。プレゼンの力やコミュニケーション力が身についたと思います。
Y・Kさん
トイレに仕切りを作るという自分たちの案が通り、プロジェクトを実施できたこと、そして中3の7割が良い評価をしてくれ、「仕切りを継続してほしい」と言ってもらえた時にやりがいを感じました。
A・Tさん
リーダーシップがとれるようになりました。また、街づくりの調査を通じて、地図が読めるようになりました(笑)。アプリを作る時、意見がすれ違うこともありましたが、ゴールを目指すには、互いの意見を認めて協力することが大切だと学びました。
活動を通じて、SDGsに対する考え方が変わりましたか?
K・Sさん
当初、SDGsには懐疑的で、2030年の達成目標もできるわけがないと思っていました。今でもあと4年では無理かなと思うけれど、何もやらないよりはやった方がいいし、今課題に取り組めば20年後には解決するかもしれないと、前向きに捉えるようになりました。個人的には、水筒を持ち歩くようになりました。
C・Mさん
SDGsは、壮大で遠い存在のものだと思っていましたが、身近な課題でもあり、自分の行動を少し変えるだけでも貢献できることを知りました。
S・Sさん
私はプロジェクトに入るまで、ものすごくペットボトルを使っていました。でも、そのペットボトルを焼却するにもCO2が排出され、CO2でどんな環境問題が起きているか調べているうちに、自分の行動を見直さなくてはいけないと気づきました。今は水筒を使うようにしています。
Y・Kさん
「ジェンダー・平等」とは関係ないけれど、クーラーのつけっ放しを止めるなど、生活の中で節電を心がけるようになりました。
A・Tさん
「SDGsに興味がある」で終わるのではなく、具体的に行動することが大事だと考えるようになりました。
来年度の目標を教えてください。
K・Sさん
今回、食品の販売は学校内だけだったので、後輩たちが学校外にも広げてくれたらいいですね。個人としては教育系に関心があり、SDGsにも教育に関する項目があるので、今後も何かしら関わっていきたいと思っています。
C・Mさん
パイオニアの「環境・エネルギー」チームと協力して、何か新しいことをやってみたいです。また、これまで試してこなかった発電方法にも挑戦したいです。
S・Sさん
来年度も、ペットボトル削減週間とビーチクリーンの活動をする予定です。ペットボトル削減週間は今回が初めてで、対象学年も高1のみだったので、次は全学年で取り組み、どのくらい削減できるかを調査したいです。
Y・Kさん
トイレの仕切りのアンケートで、「デザインを変えてほしい」、「もう少し開放感があるようにしてほしい」といった意見があり、改善していきたいです。最終的には、通年で仕切りを設置することが目標です。
A・Tさん
ゲームアプリの街のエリアを、北区全域に拡大したいです。また、北区には中高生も集える子どもセンターがあるので、そこでワークショップなどもする予定です。
女子聖学院中学校
【所在地・交通アクセス】
〒114-8574 東京都北区中里3-12-2
TEL 03-3917-2277
- JR「駒込駅」より徒歩7分
- JR「上中里駅」より徒歩10分
- 南北線「駒込駅」より徒歩8分
MAP