第14回 クラスに同じ誕生日の人がいることは珍しい!?

クラスに同じ誕生日の人がいることは珍しくない!

4月は入学・進級の季節、新学期は新しいクラスメイトとの出会いが待っています。もしクラスの中で自分と同じ誕生日の人がいればきっと驚くことでしょう。クラスに同じ誕生日の人がいることはどの程度に珍しいのでしょうか。

1年は365日なので、二人の誕生日が一致したらびっくりするのは当然です。ところが、確率を計算してみると驚くべきことにクラスに誕生日が一致する二人がいることは珍しいことではないのです。

確率と言えばサイコロ

出来事の起こりやすさを表すのが確率(確からしさ)という数値です。必ず起きることは確率が1(100%)で、全く起きないことは確率が0(0%)です。よく起きることが確率が大きい、滅多にしか起きないことは確率が小さいといいます。

降水確率、宝くじの当選確率、事故に遭う確率、オスの三毛猫が産まれる確率、など私たちの身のまわりは確率だらけです。

確率と言えばサイコロ。1の目が出る確率が6分の1なのは、1回サイコロを振った場合に出る目は1、2、3、4、5、6の6通り、これがどれも均等にでると仮定すれば1の目が出るのは1通り、つまり6通り分の1通りで6分の1、これが確率です。

では、1個のサイコロを続けて2回振るとして1の目が続けてでる確率はどうなるでしょうか。最初に1の目が出る確率が6分の1、次に1の目が出る確率も同じく6分の1ですから、6分の1×6分の1=36分の1です。

箱の中から玉を取り出す確率の問題

箱の中から玉を取り出す確率の問題は、センター試験の数学にも出題されます。いま箱の中に、赤玉5個、白玉5個、合計10個の玉が入っています。箱から玉を1個ずつ3回取り出します。ただし、毎回取り出した玉は箱に戻さないとします。1回目に赤、2回目に白、3回目に赤が出る確率はどうなるでしょうか。

1回目に赤が出る確率は、10個の中に5個の赤玉があるので、10分の5。
2回目に白が出る確率は、9個の中に5個の白玉があるので、9分の5。
3回目に赤が出る確率は、8個の中に4個の赤玉があるので、8分の4。

したがって、
10分の5×9分の5×8分の4=36分の5
が求める確率とわかります。

23人のクラスに誕生日が一致する二人がいる確率

では23人のクラスに誕生日が一致する二人がいる確率を計算してみます。サイコロと同じように1年365日のどの日に生まれるかは、かたよりがないことを仮定します。

まず、23人全員が違う誕生日になる確率を求めてみます。なぜそうするかと言えば、計算(考え方)が簡単だからです。1人目の誕生日が1月1日だとすれば、2人目が1人目と誕生日が異なるのは、365日から1月1日を除いた364日のどれかであればいいので、確率は364/365です。

次に3人目が最初の2人と誕生日が異なる確率は、3人目の誕生日が最初の2人の2通りの誕生日以外の365-2=363通りのどれかであればいいから363/365です。

最後の23人目の人が始めの22人と誕生日が異なる確率は、365-22=343通りのどれかであればいいので343/365です。

すると、全員が違う誕生日になる確率は、2人目が1人目と誕生日が異なり、3人目が最初の2人と誕生日が異なり、…、23人目の人が始めの22人と誕生日が異なるときなので、これらの確率をすべてかけ算した値になります。

計算はコンピューターに任せてみると、0.4927…となります。「23人全員が違う誕生日になる」の逆は「クラスに少なくとも1組の同じ誕生日の人がいる」となります。このような考え方を確率では余事象を考えるといいます。

1個のサイコロを1回降って1以外の目が出る確率は、1から1の目が出る確率を引いた1-1/6=5/6と計算できます。したがって、「クラスに少なくとも1組の同じ誕生日の人がいる確率」=1ー「23人全員が違う誕生日になる確率」なので

1−0.4927=0.5073

が求める確率だとわかります。

これは50%を超えています。もし学年に23人のクラスが4つあれば、そのうちの50%つまり2つのクラスで同じ誕生日の人がいることを意味します。

40人クラスであれば確率は約9割!

クラスの人数を変えて確率を計算してみた結果が次です。

クラスの人数が35人を超えると、確率は80%を超えることがわかります。ちなみに57人いれば確率はなんと99%です。同じ誕生日の人が同じクラスにいることは全然めずらしいことではないということです。

クラスの中やたくさん人が集まったときに、誕生日を調べてみて自分の目でこの確率を確かめてみてはいかがでしょうか。

執筆者プロフィール

桜井 進(さくらい すすむ)

1968年山形県東根市生まれ。サイエンスナビゲーターⓇ。株式会社sakurAi Science Factory 代表取締役CEO。東京理科大学大学院非常講師。東京工業大学理学部数学科卒。同大学大学院院社会理工学研究科博士課程中退。小学生からお年寄りまで、誰でも楽しめて体験できる数学エンターテイメントは日本全国で反響を呼び、テレビ・新聞・雑誌など多くのメディアに出演。著書に『雪月花の数学』『感動する!数学』『わくわく数の世界の大冒険』『面白くて眠れなくなる数学』など50冊以上。「桜井進の魔法の算数教室」と「桜井進の数学浪漫紀行」を毎月開催。
サイエンスナビゲーターは株式会社sakurAi Science Factoryの登録商標です。
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