私立校はお金がかかる!?
中学受験に関心があるという人は、かつてはごくごく一部に限られていました。私立校には、入学金や授業料等があり、お金がかかるというイメージがあったこともその一因だったのかもしれません。しかし近年、私立校人気は高まり、中学受験は一般的なものとなりつつあります。その背景には何があるのでしょうか。まずは、私立校と公立校でかかる費用がどれほど違うのか、見ていきましょう。
年々少しずつ増えている私立校の費用
文部科学省では「子供の学習費調査」を2年に一度実施し、結果を公表しています。ここで言う「学習費」とは、保護者が支出した1年間、子ども一人当たりの学習費総額のことで、学校教育及び学校外活動のために支出した経費の総額ということになります。
それによると、学習費総額は、公立中学校で48万8千円、私立中学校では140万6千円となっています(2018年度の調査)。公立中学校は、2016年度と同程度で、文科省では近年はおおむね横ばいで推移しているとしています。
一方、私立中学校は前回調査から6.0%増加。近年少しずつ増加する傾向にあります。保護者とすれば「それなら、公立校でいい」となりそうなものですが、前述した通り、実態はその逆となっているのです。
それでも増加する私立校進学者
文部科学省の文部科学統計要覧によりますと、2019年の中学校在学者数は、全国で321万8137人。そのうち、私立校在学者数は23万9106人で、その割合は7.4%。2000年の同じ数字を挙げてみます。前者が410万3717人で、後者が23万4647人、その割合は5.7%でした。
つまり、少子化によって中学生の数は、大きく減った一方で、私立校進学者はほぼ横ばいとなっているのです。冒頭で触れた通り、中学受験がどんどん一般的にものとなってきていることは、このようにデータからも読み取ることができます。
ちなみに、東京の港区、文京区、中央区では約半数が受験を経て私立校(一部国立校を含む)に進学しています。
公立校と違って、私立校は生徒をしっかり確保することによってしか、生き残ることができません。そんな私立校が、先進的かつ特色ある教育を模索し、展開することによって独自の魅力を発揮。多くの保護者にその魅力が伝わった結果が、上記のような状況を産んだのではないか。『中学受験スタディ』は、そのように考えています。
関連情報
『中学受験スタディ』では、各校の学費情報も掲載。学費が安い私立中学校ランキングも紹介していますので、ぜひ、参考にしてください。