[SDGs特集]東京立正中学校/2024年度は「縦割り班」で杉並区へ取り組みを提案

身近な問題からSDGsに関する学びを深め、高校生になると地域、世界へと視野を広げていく。高校2年次には、課題解決型研修旅行でカンボジアを訪問。

地域貢献や社会貢献につながる学びや体験

東京立正中学校・高等学校では、生徒が自ら地域貢献や社会貢献活動につながる将来設計を描けるように、SDGsの学びや体験をカリキュラムに取り入れている。中学から入学した生徒は「イノベーションコース」での中高一貫教育となっており、高2で実施される「カンボジア研修」に向けて、身近な問題からSDGsに関する学びを深めていく。

「2024年度は、中学3学年の縦割りでグループを作り『杉並区へ取り組みの提案をしよう!』というテーマで活動しています。3学年で1つの課題に取り組むことで、3年生がリーダーシップを発揮できる機会になることにも期待しています。今回の取り組みは、若い世代に区の課題を知ってもらう機会を作りたいとのことで、杉並区環境課の方から声をかけていただいて実現しました。グループで話し合って、循環型社会(ゴミ問題・食品ロス・リサイクル)か気候(温室効果ガス・地球温暖化)のどちらかをテーマに選び、杉並区や他の自治体での取り組みを調べた上で課題や解決方法を考えます。2月には本校に環境課の方をお招きして、自分たちの提案を全グループが発表する予定です」(SDGs委員会代表/原子桂輔先生)

SDGsの視点で様々な働き方を知る経験

小学校でもSDGsについて学ぶ機会が増えていることもあり、年々、生徒たちのSDGsに関する認知度も高まっている。そういった背景と同校の活動が浸透してきたこともあり、高校生が取り組んでいるボランティア活動に参加する中学生が増えてきた。

「今後は、ボランティア活動に参加して終わるのではなく、そこで新たな課題を見つけたり、運営する側にまわるなど、一段階上の関わりができるようになるといいなと思っています。『東京高円寺阿波おどり』を支えるボランティアには学生部があり、昨年高3で入った本校の生徒が今年度からはリーダーとしてボランティアを引っ張る役割を担うようになりました。今年の高3からも2人が学生部に入って頑張っているので、次の段階へ行く生徒が増えていくことに期待しています。NPOやNGOなどで課題解決に取り組んでいる方や、町のため、地域のために動いている方たちを身近に感じて、いろいろな働き方があると知ることがとても大切です。SDGsの視点があると、周りを思いやる気持ちがプラスされます。ボランティア活動を通して、自分だけでなく、周りも幸せにするような進路につなげていってほしいです」(SDGs委員会代表/原子桂輔先生)

SDGs入試と学びのつながり

同校では独自入試として、SDGs入試を実施。SDGs入試で入学する生徒に対しては、小学生の頃にやってきた取り組みを事例として共有し、ワークショップで経験を活かして発言するなど、全体を引っ張る存在になることが期待されている。

生徒インタビュー

Kさん 中3(選んだテーマ:循環型社会)
Uさん 中3(選んだテーマ:循環型社会)
SDGsにはどのようなイメージを持っていますか?
東京立正SDGs
Kさん
食品ロスや地球温暖化、戦争などのイメージです。僕はSDGs入試で受験したので、そのときに調べて得た情報が印象に残っています。ちょうど恵方巻きが販売される時期だったので、テレビのニュースを見て廃棄のことなどが気になり、深く調べてみようと思いました。小学校の授業でもSDGsのことは少し学んでいたのでSDGs入試に挑戦してみましたが、新しいことを知ることができて受験勉強も楽しかったです。
東京立正SDGs
Uさん
海を豊かにしようとか、自然を守ることなど、綺麗にしたり、清潔に保つための活動というイメージがあります。

杉並区の取り組みを調べた印象を教えてください。

東京立正SDGs
Kさん
いろいろな取り組みを行っていて、自分も知らないような取り組みがたくさんありました。
東京立正SDGs
Uさん
東京立正では、積極的にゴミの分別を行うように取り組んでいます。新高円寺駅付近のゴミ箱にも分別に関するポスターが貼ってあったりするので、杉並区も積極的に取り組んでいると思います。

「循環型社会」をテーマに選んだ理由を教えてください。

東京立正SDGs
Uさん
最終的に講堂で発表すると聞いたので、みんなにもわかりやすく説明するには「循環型社会」に関する提案の方がよいと思いました。
東京立正SDGs
Kさん
SDGs入試で食品ロスについて詳しく調べたので、自分の知っていることも役立てやすいと思ったので、「循環型社会」がいいと思いました。

縦割り班での調べ学習を始めてどのように感じましたか?

東京立正SDGs
Kさん
これまで1、2年生との関わりはあまりなかったので、まずはお互いの仲を深めていきたいです。1、2年生はまだ知らないことも多いので、僕たちが1、2年で学んできたことを活かして後輩を引っ張っていきたいと思っています。
東京立正SDGs
Uさん
部活で関わりのある後輩もいますが、今回初めて話す1、2年生もいます。部活以外で、異学年が交流できる機会があるのもいいなと思いました。1、2年生はSDGsについてまだ深く理解していないので、3年生から「これを調べよう」と指示を出したりしながら、各自が理解を深めていけるようにサポートしていきたいです。

高校での3年間でどのように成長していきたいですか?

東京立正SDGs
Kさん
東京立正は他校よりSDGsに力を入れているので、SDGsのことを実践できるように学んでみんなに広めていきたいです。例えば、トイレの手洗い場では蛇口をひねるタイプだと水を無駄に使ってしまいますが、東京立正は自動なので無駄を減らすことができていると思います。
東京立正SDGs
Uさん
中学の3年間でSDGsに関していろいろと知ることができたので、学んだことを活かして高校での3年間はより深く活動していきたいです。例えば、クラス内でも積極的に動いてみんなの理解を深めたり、地域の方などにも説明できるようになれたらいいなと思っています。

将来についてはどのように考えていますか? 

東京立正SDGs
Kさん
「東京高円寺阿波おどり」のボランティア活動などをしているので、卒業してもいろいろなボランティア活動を続けていきたいです。ボランティアをすることで地域の人と仲良くなれたり、絆を深められます。活動自体が楽しいですし、人の役に立てることが嬉しいです。
東京立正SDGs
Uさん
私はまだあまりボランティア活動に参加していませんが、高校生になったらもっと参加して、大学生や社会人になってもボランティア活動をして地域貢献したいです。子どもと触れあってみたいので、子ども食堂のボランティアをやってみたいと思っています。
同校の昨年の取り組み

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東京立正中学校
〒166-0013 東京都杉並区堀ノ内2-41-15
TEL 03-3312-1111

  • 東京メトロ丸の内線「新高円寺駅」より徒歩8分

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