身近な問題からSDGsに関する学びを深め、高校生になると地域、世界へと視野を広げていく。高校2年次には、課題解決型研修旅行でカンボジアを訪問。
地域貢献や社会貢献につながる学びや体験
東京立正中学校・高等学校では、生徒が自ら地域貢献や社会貢献活動につながる将来設計を描けるように、SDGsの学びや体験をカリキュラムに取り入れている。中学から入学した生徒は「イノベーションコース」での中高一貫教育となっており、高2で実施される「カンボジア研修」に向けて、身近な問題からSDGsに関する学びを深めていく。
「中学生は、毎年テーマを変えてSDGsの課題に取り組んでいます。例えば、2022年度は各学年の宿泊行事と関連付けてSDGsについて考えました。2023年度は『無駄遣いをなくす』がテーマです。学年によって課題は異なりますが、身の回りの課題について調べることによって、まずは課題自体を自分ごととして考えることを目指しています。さらに、調べ学習を通して、身近なところから地域や世界の課題へと目を向けられるように、視野の広げ方も学んでほしいと思っています」(SDGs委員会代表/原子桂輔先生)
中学生のSDGsに関する取り組み
近年は小学校でもSDGsについて学ぶ機会が増えていることもあり、年々、生徒たちのSDGsに関する認知度も高まっている。そういった背景も考慮して、中1での学びのスタート地点を検討。昨年度までは「17のゴール」の説明から始める必要があったが、今年度は一歩進んだところからスタートした。
「今年度の中1はすでにSDGsのゴールについては知っていたので、自分たちの言葉で周りの人たちにSDGsを紹介できるように、中学生目線でSDGsをどんな言葉に置き換えられるかという課題を出しました。授業は総合学習の時間が中心ですが、家庭科の時間も活用しています。中1では身の回りで使わなくなったものをリメイクしたり、中2ではフードロスに関連付けた調理実習を行ったりするなど、家庭科の教員と一緒に取り組みを進めています」(SDGs委員会代表/原子桂輔先生)
SDGs入試と学びのつながり
同校では独自入試として、SDGs入試を実施。SDGs入試で入学する生徒に対しては、小学生の頃にやってきた取り組みを事例として共有し、ワークショップで経験を活かして発言するなど、全体を引っ張る存在になることが期待されている。
生徒インタビュー
Sさん 中3(イノベーションコース)
Tさん 中1(イノベーションコース)
身近な課題への取り組み
今年度に取り組んだことについて教えてください。
夏休みに理科の自由研究で、SDGsに関する実験をしました。実験をしようと思ったきっかけは、母が不在のときに自分で昼食を作っていたら、野菜の皮などのゴミが多いなと思ったことです。キッチンから出るゴミを減らしたり、再利用したりする方法があるのではないかと思って調べてみました。
調べてみたら、人参や大根はよく洗えば皮も食べられることがわかりました。そのほかにできることはないかと考えて行ったのが、生ゴミを土に返して栄養価の高い土を作る実験です。野菜の生ゴミ、果物の生ゴミ、お米のとぎ汁を栄養として土に与えるという3つの条件で、二十日大根の種を蒔いて成長を比べました。お米のとぎ汁を与えた土は、二十日大根の成長が早かったです。一方、野菜と果物の生ゴミを与えた土は、二十日大根がうまく育ちませんでした。原因は、野菜や果物の生ゴミが分解される前に種を蒔いてしまったからだと思います。
今回の実験を通して、生ゴミに含まれるほんの少しの水分でさえ、土に影響を及ぼすことがわかりました。生ゴミを活用した有機栽培を本格的に考える時には、しっかりとゴミを分別することなども重要だと思います。今回の反省点を活かして、野菜や果物の生ゴミを与えた土にもお米のとぎ汁を与えるなどして、生ゴミの活用方法を見つけていきたいです。
総合学習の授業では、どんなことに取り組みましたか?
コメントSDGsをわかりやすく紹介するために言葉を置き換えるという課題で、「私たちがこの先、生きていくために」という置き換えを考えました。ニュース番組などを見ると、100年後の未来では気温も上昇して、自分たちの子どもや孫が暮らす時代になったときに、人が住める状況なのか不安になります。この先も生きて行くためにはSDGsが必要だと感じたので、この言葉に置き換えました。
これからSDGsに関する学びをどのように深めていきたいですか?
中2の時に日本でのSDGsの取り組みを調べたので、今度は海外の取り組みについて調べて、日本でもできることがないか考えてみたいです。
身近なことから少しずつでも、SDGsに役立つことをしていきたいです。例えば、エコバッグを持参することでも、課題の解決につながることがわかったので、周りにも伝えてみんなで解決に近づけたらいいなと思います。
東京立正中学校の魅力
小学生の頃からクラブチームでソフトボールをやっていたので、部活動体験などで先生や先輩と接する機会がありました。先生や先輩たちの教え方がとてもいいなと感じ、このチームで一緒に戦いたいと思ったので受験しました。学校見学で来たときに、私のことを知らない先輩たちが挨拶してくれたので、いい学校だなと感じたのも理由の一つです。入学後は、ソフトボール部で頑張っています。
僕は小学生の頃からバレーボールをやっていて、部活動体験で来たときにとても楽しかったので、この部活に入りたいなと思いました。今は、バレーボール部で楽しく活動しています。僕が通っていた小学校にはあまり自然がなかったのですが、この学校は自然がとても多いこともいいなと思いました。
授業や先生について教えてください。
先生と生徒の距離が近いです。例えば、テストが近くなった時にわからないところがあれば先生が残って教えてくれたり、個別のアドバイスをくれたりします。質問などもしやすいです。
コメント先生が一人ひとりに理解しているかをしっかり確認しながら授業を進めてくれるので、とてもわかりやすいです。
将来の夢や目標について教えてください。
まだ具体的には決めていませんが、人と関わる仕事がしたいと思っています。部活で怪我をした時に、いろいろな人の支えがあって大会に出ることができたので、自分もそのような人の支えになれる仕事がしたいです。
まだ全然決まっていませんが、人の役に立てる仕事に就きたいと思っています。
同校のその他の取り組み
課題解決型の学習を通してSDGsへの理解を深める。身近な課題に取り組むボランティア活動では、地域の子どもや高齢者と交流。
SDGsへの理解を深める課題解決型の学習
●地域貢献や社会貢献につながる学びや体験
東京立正中学校・高等学校では[…]
東京立正中学校
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