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なぜ中学受験をするのか? ⑦偏差値以外の指標

「中学受験の基礎知識」シリーズでは、「私立と公立の違いは?」「偏差値って何?」など、小学生のお子さんを持つ保護者の皆さんが気になる項目について解説していきます。

Vol.7では「偏差値以外の指標」をテーマに、中学受験について解説します。

中学受験の偏差値と大学合格実績

受験する学校を決める際には、大学合格実績も重要な指標となるでしょう。注意深く見ていくと、中学受験での偏差値と大学合格実績は必ずしもリンクしていないことに気づきます。大学の合格実績は、高校での進路指導方針と大きく関係しているのです。例えば、東大などの難関大学しか受験させないという方針の学校もあります。一方で、中学からキャリア教育に力を入れて、なりたい職業を明確にしたうえで、その職業になれる学部や大学を目指すという方針の学校もあります。その場合、なりたい職業につながる大学が、難関大学とは限りません。合格実績の数字だけ見ると、難関大学への合格者は少ない結果となっているかもしれません。ですから、数字だけを見るのではなく、「希望の進路」を実現できているかどうかを知ることが大切です。

近年は、一般選抜より、総合型選抜(旧AO入試)で成果を出している学校も増えてきています。学力試験が中心の一般選抜とは異なり、面接などを通して、大学が掲げるアドミッションポリシー(どのような学生に入学してほしいか)に合致する人物を選抜するのが総合型選抜です。書類選考と面接、小論文による選抜のほか、プレゼンテーションやグループディスカッションなどが課される大学もあります。探究活動を積極的に行っている学校や、プレゼンやディスカッションの機会が多い学校は、総合型選抜で合格実績が伸びています。ですから、独自カリキュラムや行事なども、大学受験に大きく関わってくるのです。

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偏差値に一喜一憂しない模試の活用

模試の結果は偏差値に目が行きがちですが、受験生の層によって、偏差値が高めに出たり、低めに出るなどの違いがあります。塾が主催する模試は、塾生でなくても受験できるものもあるので、出題傾向や受験者の層などを理解した上で活用しましょう。例えば、首都圏模試は、幅広い層が受けるオーソドックスな模試です。模試で多くの人と比べてわかることもあり、今の実力、得意な問題、苦手な問題を知るためにも役立ちます。「漢字で思ったような点数が取れない」「家ではできるのに模試では計算ミスが多い」「時間配分を間違えた」など、本番に近い形だからこそ気づくことも多いでしょう。模試は、勉強してきたことをアウトプットできる場であり、現状分析をするための機会なのです。偏差値に一喜一憂せずに、弱点の克服などに活かしましょう。

「合格」の先を見据えた学校選び

受験校を絞りこむために、偏差値はわかりやすい指標になります。しかし、偏差値だけに頼りすぎないことが大切です。いわゆる「偏差値が高い学校」が、通う本人にとってよい学校とは限りません。高校生になってからぐんぐん伸びて、開花する子もいます。開花するためには、得意分野や才能に気づき、それを伸ばせる教員や環境が必要です。受験時の偏差値が低かった生徒を6年間かけて育て、大きく伸ばせる学校もあります。塾のゴールは「合格」までですが、本当に大切なのはその先です。「合格」の先については、保護者が本人と一緒に考えなければなりません。そのためには、偏差値以外の指標を持つ必要があります。

例えば、偏差値で絞り込んだ私立2 校に合格したとします。偏差値が同じだとしたら、どちらがより楽しく通える学校、より伸ばしてくれる学校なのでしょうか。それを判断するためにも、学校説明会や校内見学に行くなど、可能なかぎり雰囲気を肌で感じておきましょう。在校生が校内を案内する見学会の場合、在校生と直接話をすることもできるので、入学後がよりイメージしやすいです。また、体験授業や部活体験などを行う学校もあります。私立2校に合格した中学生に取材をすると、体験授業で教員の教え方や雰囲気が気に入ったので、偏差値表では低い方の学校を選んだというケースもありました。その結果、楽しい学校生活を送れていることが、インタビューから伝わってきます。学校選びのベースとして偏差値を使いながら、偏差値以外の指標を持つことが、入学後の学校生活を充実させることにもつながるのです。

偏差値重視で決めてしまうと、入学してからの学校生活が楽しくないと感じることもあるでしょう。中・高の6年間は、子どもが大きく成長する大切な時期であり、志望校選びはその6年間に関わる重要な選択です。志望校選びを塾任せにしていては、「合格」の先にある「楽しい学校生活」は実現できないかもしれません。可能なかぎり学校に足を運び、授業や行事、部活動などを体験してみましょう。学校説明会や文化祭、体験会などの開催日を調べる際には、ぜひ『中学受験スタディ』の「説明会・イベントカレンダー」をご活用ください。

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