学習指導要領に出現した「探究」
探究的学習、探究型学習、探究の時間、探究する心……。最近、教育について語られる言葉の中に「探究」という単語がよく出てきます。このトレンドは、いつから、そしてどこからやってきたのでしょうか。その答えは、文部科学省が告示する教育課程の基準である学習指導要領の中で盛んに用いられるようになったからということになります。2008年改訂の学習指導要領にすでに見られる「探究」ですが、2017年改訂の学習指導要領では、その意義がより強調されています。次の通りです。
なぜ「探究」が大切なのか
「横断的・総合的な学習や探究的な学習を通して、自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育成するとともに、学び方やものの考え方を身に付け、問題の解決や探究活動に主体的、創造的、協同的に取り組む態度を育て、自己の生き方を考えることができるようにする」
これは、学習指導要領「生きる力」の第4章、総合的な学習の時間第1の目標として記述されているものです。端的に言えば、自分の生き方を決めるための手段として探究的な学習が重要であると指摘しているのです。
アクティブ・ラーニングとの違い
ここまで読まれた方の中で、こんな疑問を持たれた方も少なくないのではないでしょうか。「探究とアクティブ・ラーニングって何が違うの?」。アクティブ・ラーニングも探究と並んで多くの学校が取り組む新しい学習法。前者の目的が「自己の生き方を考えることができるようにする」なら、後者の目的は「思考力や判断力、表現力を修得する」ことと大きな違いがあるわけではありません。
アクティブラーニングとは、学修者の能動的な学修への参加を取り入れ た教授・学習法のことで、文科省によれば「学ぶことに興味を持ち、見通しを持って粘り強く取り組み次につなげる学習」のことです。探究は、そのアクティブ・ラーニングを実現するための一つの手法と位置付けることができます。自ら問題を見つけ、課題の追究・解決・探究を行う学習によって深い学びに到達する。この目的のために必要となるのが、探究というわけです。
アクティブ・ラーニングとは 今、教育を語る上で、盛んに使われる言葉の一つとして、アクティブ・ラーニングが挙げられます。文部科学省の中央教育審議会が2012年に行った答申で初めて用いられました。直訳すると、能動的な学習ということになりますが[…]
探究の取り組み事例
『中学受験スタディ』では、私立校の探究についての取り組みを紹介してきました。同じ「探究」といっても、学校によりその内容は様々です。ぜひ、ご一読の上、志望校選びの参考にしてください。
山脇学園中学校
やってみることから始まる探究学習
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芝浦工業大学附属中学校
未来創造力を育む探究型授業がスタート
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桐蔭学園中等教育学校
自らテーマを選び、探究にチャレンジ
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東京立正中学校
探究型授業の推進など学校改革に着手
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