中学入試の常識が変わる?
国算理社の4教科、もしくは国算の2教科。できれば、小学4年生から塾に通い、しっかり対策をしていく……。それが中学受験の常識でした。今でもそれが主流だと言って構わないでしょう。しかし、ここ数年の私立校を中心とする動きを見ると、確実に変化し始めていることがわかります。
公立中高一貫校の出現
そのきっかけの一つは、1999年に公立の中高一貫校が出現したことです。大学合格実績をはじめとする教育実績が評価され、その人気は年々高まっていきました。公立中高一貫校の大きな特徴は、適性検査による選抜を行っている点にあります。文部科学省の指導によって、公立中高一貫校の入学者選抜では学力検査(試験)をしてはならないと定められているのです。受験競争が加熱し、低年齢化が進むことを懸念してのことでした。
適性検査で問われるのは、知識ではなく、複数の教科にまたがる知識を組み合わせて、与えられた課題について自分なりの答えを導き出すことです。
潜在力に優れているのは
そんな動きを私立校が指をくわえて見ているわけがありません。多くの私立校が続々と適性検査を導入。今では、4教科型・2教科型入試と並ぶ存在となっています。そして、ここが大切なポイントなのですが、4教科型・2教科型入試を合格して入学してきた生徒と適性検査を経て入学した生徒を比べた場合、入学後に大きくその力を伸ばすのは、むしろ後者であることが多いと言われているのです。
小学校卒業時に、4教科型の学力(これは、4教科に関する知識量の多さと言い換えてもいいでしょう)が優れていることと、教科を横断し複合的に考える力を持っていること。両者を比較したときに、後者の方が潜在力という意味で優っているのは、当然のことかもしれません。
大学入試改革の影響
そして今、流れは加速しています。適性検査にとどまらず、独自の入試を行う私立校がどんどん出てきているのです。その背景に、大学入試改革があることを指摘しておかなければなりません。「知識の量」ではなく「知識を活用する力」(思考力や判断力、表現力)を問う入試へ。一言で言うとそれが大学入試改革の目指すところです。大学入試が変われば、当然、中学入試も変わります。適性検査導入の流れ以降「新しい入試」を導入することに対する抵抗感が薄れてきたという事情もあるかもしれません。
私立校ならではの新タイプ入試
建学の精神が明確であること。これは、私立校の特徴として真っ先に挙げられることです。その原点に立ち返り「どんな入学者を迎え入れたいのか」を改めて見直すことで私立校の新タイプ入試が生まれてくる。そんな私立校ならではの動きも見えてきます。
『中学受験スタディ』では、「 独自入試特集」を組むなど折に触れて私立校の新タイプ入試を取り上げてきました。いくつかご紹介しましょう。ぜひ、志望校選びの参考にしてください。
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