右肩上がりの付属校人気
近年、付属校(ここでは「附属校」も含め、このように表記することとします)の人気が高まっています。大学入学共通テストは、ようやく始まりましたが、今後どうなっていくか、まだまだ先行き不透明感が残ることや、大学の定員管理厳格化による上位校、中堅校の難化などがその理由として挙げられます。コロナ禍が、安全志向をより強めているという側面もあるかもしれません。大学の付属校に中学や高校から入学していれば安心、というのは誰しもがうなずけるところでしょう。付属校の人気が上がるのも無理のないことなのかもしれません。
無条件で進学できるわけではない
多くの付属校では、高校3年間の成績や校内外の活動などが進学条件の基準を満たした上で、校長の推薦を得ることによって併設大学に内部進学することができます。注意しておきたいのは、決して無条件で進学できるわけではないという点です。
ここでは、日本大学の準付属校である目黒日本大学高等学校の例を見てみましょう。
日本大学には、付属生用の内部進学試験「基礎学力到達度テスト」があります。このテストを受け、(A)基礎学力選抜方式と(B)付属特別選抜方式の2つのパターンで推薦を受けることによって、内部進学が可能となります。
このように、試験を課して一定以上の学力レベルを担保したり、英検2級またはTOEIC450点以上などの条件を設定している付属校もあります。志望校選びの際には、内部進学のための条件がどうなっているのかを確認することが大切なのです。
付属校と系属校
ところで、付属校に似て非なるものとして、系属校があります。この両者の違いはどこにあるのでしょうか。それは、学校法人が同一であるかどうか。付属校は、同一法人が運営しているのに対して、系属校は、それぞれ異なる法人が運営しているのです。例えば、明治大学には、附属校1校と系属校2校があります。
・付属校:明治大学付属明治高等学校中学校
・系属校:明治大学付属中野高等学校中学校、明治大学付属中野八王子高等学校中学校
内部進学の条件は、3校でそれぞれ異なりますので、やはり、同じ大学の付属校や系属校であっても、それぞれの特徴をしっかり確認することが大切です。
併設大学進学以外のメリット
併設大学への進学以外にも、付属校のメリットはあります。それは、大学受験を意識することなく、大学進学後の学びにつながる学習が中高のうちからできること。こちらの方が、本質的には重要なメリットだと言えるかもしれません。
例えば、芝浦工業大学附属高等学校では、高大連携講座を高1から高3で実施。芝浦工大の教授、大学生、大学院生のサポートを得て学んでいく中で、生徒たちは、どの学部、どの学科に進み、どの研究に携わっていくのかを見出していくわけです。
詳しくは下記のスクール特集ご覧ください。
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『高校受験スタディ』では、多くの付属校、系属校をご紹介しています。それぞれの特色を把握して、ぜひ、志望校選びの参考にしてください。