お茶を通じて「心」を通わせる豊かな時間 相模女子大学中学部茶道部

茶席で育まれる「他者を敬う心」

茶道部や筝曲部(高等部)、弓道部(高等部)、競技かるた部(高等部)など、日本文化に触れる部活動も豊富な相模女子大学中学部・高等部。52畳の和室で活動する中学部の茶道部を訪ね、部長のOさん(中2)と副部長のKさん(中2)、顧問の清水郁子先生に茶道の魅力や目標などについてお話を伺った。

2026年度は、中学部の茶道部では1年生5人、2年生5人が活動。高等部とは別々に活動しており、週2回の活動日はほぼ毎回、師範(裏千家)の講師による指導を受けているという。

「茶道部での活動をきっかけに、茶道のプロを目指す人も中にはいるかもしれませんが、おそらく、ほとんどの生徒はそうではないでしょう。ですから、茶道を通して礼儀作法やおもてなしの心を学び、いざというときに恥ずかしくない立ち振る舞いができるようになってほしいと思っています。茶室では、身分や肩書など関係なく、他者を敬う心が大切です。お稽古を重ねながら、将来、誰とでも平等に接することができるようになっていけたらいいなという思いもあります」(清水先生)

運動部と違って大会への出場を目指すわけではないので、活動の成果を披露する場として相生祭(文化祭)が大きなモチベーションとなっている。

「その他にも毎年7月には、お点前を披露する学校を決めてお茶会を開催する淡交会学校茶道の親睦茶会という交流会があります。おもてなしをする学校がテーマを決めて道具やお菓子を用意してくれるので、そこで立派にお点前をする他校の生徒を見たりして刺激を受けます。11月には本校の文化祭があるので、そこで催すお茶会に向けてお客様をおもてなしするイメージもわくようです。今の2年生は、去年は教えてもらう立場だったのに、3年生がいない中で突然最上級生となって戸惑いもあったかと思いますが、大きく成長していると感じています」(清水先生)

初心者も経験者も楽しく活動

茶道というと敷居が高いイメージがあるが、OさんとKさんが語った入部の理由は「お菓子」だったという。2人とも以前から茶道に関心があったというのが本当の理由だが、きっかけはそれぐらいの気持ちでも大丈夫という例として語ってくれた。

「お菓子が目当てだったところもありますが(笑)、祖母が茶道をやっていたので憧れもあり、自分でもお茶を点てられるようになりたいなと思って入部しました。中学受験のとき、茶道部があったことも、この学校を選んだ理由の1つです。小学生の頃、習い事に通っていたときにサガジョ生がいて、制服もかわいいし、そのお姉さんも素敵だなと思ってこの学校に憧れていました。私は大きな声を出したり、少しガサツなところがあるので、茶道を通して落ち着いた振る舞いなどを身につけたいと思っています」(Oさん)

「私も、母が趣味程度に茶道をやっていたので、家にあった茶道の道具が気になっていてやってみたいと思いました。初心者もいれば、経験者もいますが、分け隔てなくみんな仲良く活動しています。3年生がいないので、4月中は仮入部の1年生への対応で少し大変でした。人種や国を超えて楽しめるのも茶道の魅力の1つだと思うので、機会があれば他国の人たちにおもてなしをして、お茶を通した交流ができたらいいなと思っています」(Kさん)

多くの人に知ってほしい茶道の魅力

茶道が大好きで楽しく活動しているという2人が、茶道の魅力について語ってくれた。

「相手を思いやる心が古くから受け継がれていることを知ったり、所作の1つ1つに意味が込められているということを知るのも楽しいです。例えば、裏千家では真(しん)・行(ぎょう)・草(そう)という3種類のお辞儀があります。お点前の始めと終わりなどには一番丁寧な真、お点前の途中で「お菓子をどうぞ」などというときには、あまり深く頭を下げ過ぎない草というお辞儀をします。まだ他国の方をおもてなしする機会などはありませんが、いろいろな方に抹茶や茶道の素晴らしさを伝えたいです」(Oさん)

「器の1つ1つに柄の違いがあったり、季節に合わせた道具があるなど、見ていて綺麗だなと感じます。相生祭でお点前を保護者の方などに見せられるように、お稽古を頑張っています。昨年は、先輩方のお点前を見ましたが、堂々としていて格好よかったです。茶道は作法などが堅苦しいと思っている人も多いかもしれませんが、会話を楽しみ、お点前を通して人とつながれることが魅力の1つだと思います。抹茶は海外でも広がりつつありますが、茶道はまだ抹茶ほど広まっていません。日本人も外国人も関係なく、もっと広めるために何かできたらいいなと思っています」(Kさん)

茶道以外でも、日本文化全般に関心があるというOさんは、神社に関する文化も広めたいことがあるという。

「私は神社が大好きなのですが、海外からの観光客などによる神社での迷惑行為を見るととても悲しくなります。ですから、神社でのマナーなどを広めたいです。古事記や日本書紀にも関心があります。日本の伝統文化は、残っていること自体がすごいと思いますし、それをこれからも守りたいので、もっと広めていけるような大人になりたいです」(Oさん)

様々な角度から「命」と向き合う「マーガレットタイム」

部活動以外の学校生活では、2人とも同校独自の授業や女子校ならではの行事を存分に楽しんでいる。

「私は小学校では男子が苦手だったので、女子校に通いたいと思ってこの学校を受験しました。Oさんと同じで、制服がかわいいのも魅力の1つです。共学とは違う青春があり、林間学校でも女子トークがいつも以上に盛り上がり、みんなでワイワイできて楽しかったです。体育祭は、中高合同の縦割り4チームで競います。女子同士の真剣勝負が展開され、騎馬戦や綱引きは、砂だらけ、泥まみれになりながら、みんな本気で戦います」(Kさん)

「美術の授業は、先生が面白いと言ってみんな楽しみにしています。私は数学が大好きなので、数学の授業が楽しみです。マーガレットタイムという授業は、自分の気持ちと向き合ったり、女性としての将来について考える機会になるので、とてもいいなと思っています」(Oさん)

同校では、10年以上前から独自の「マーガレットタイム」という授業を実施している。授業の目標は、自己肯定感の育成と自己実現。教科の枠を超えて様々な角度から「命」と向き合い、1年次は「自分と向き合う」、2年次は「社会と向き合う」、3年次は「命のバトンを学ぶ」というステップで自分の生き方を考える。産婦人科の医師を招いて女性特有の心や体の変化について学んだり、命を育む可能性も視野に入れて北里大学看護学部の学生による育児体験などを実施。2026年度からは、相手も自分も尊重したコミュニケーションができるようになることを目指し、アンガーマネジメントにも取り組んでいる。

相生祭では、中学部全生徒がそれぞれ、授業やマーガレットタイムで学習したことを展示し、それに関連したワークショップを行う。

「私は入学前から、相生祭などでマーガレットタイムがあることを知っていて、とても魅力的な授業だと思っていました。マーガレットタイムがあることも、この学校を受験した理由の1つです。今年の相生祭は、10月31日と11月1日に開催されます。茶道部では、自信を持ってお点前を披露できるように、相生祭に向けてお稽古を重ねています。お茶を楽しく味わっていただけるように美味しいお菓子も用意しますので、受験生の皆さんもぜひ茶道を体験しに来てください」(Oさん)

相模女子大学中学部の情報は、こちらからどうぞ。

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