日本の英語教育の課題
「中学、高校、大学と英語を学びながら、ろくに日常会話もできない」。日本の英語教育については、以前からそのように語られてきました。その反省のもと「4技能をバランスよく習得する必要がある」と今では、盛んに言われています。4技能とは、「聞く(リスニング)」「話す(スピーキング)」「読む(リーディング)」「書く(ライティング)」力のこと。海外に出ればもちろんのこと、国内で仕事に就いても英語力が前提とされる時代に突入しつつある今、これは当然の流れと言えるでしょう。
大学入学共通テストの民間試験利用について
実際に、文部科学省は、大学入試センター試験に代わって導入する予定の大学入学共通テストに、民間試験の利用を視野に4技能を見る入試を2020年度から実施することを一旦は決定しました。しかし「受験会場が遠い地方の受験生が不利になるのでは?」「種類が異なる民間試験の成績を同列に比較することができるのか?」「採点の質や公平性を確保することができるのか?」など、さまざまな疑問点が指摘され、2020年度からの実施を延期し、2024年度実施に向けて改めて検討することが公表されました。2019年11月のことです。
英語教育のトレンド
週6~7時限の授業、ネイティブ教員と日本人教員のチームティーチング、イマージョン(英語漬けの授業)、充実した語学研修制度・・・。これらの言葉は、私立校の英語教育を語る上で、最近、よく使われるものです。この傾向は、主に受験生の保護者が英語教育への関心の高めていることに対応して、各私立校が、英語教育の充実に力を入れていることを反映していると考えられます。
私立校の優位性
そのような英語教育のトレンドについて「私立校だけ? 公立校には導入できないの?」という疑問を持つ人もいるかもしれません。例えば、週6~7時限の授業。公立校は、学校教育の基本方針を文部科学省が定める学習指導要領に則って決定しています。それによると、英語の授業数は、年間140時限。これは、週に換算すると4時限程度ということになります。その差は歴然ですね。授業数を限定され、予算にも限りがありますので、ネイティブ教員やイマージョンなどもその実現が難しいことは、想像に難くありません。繰り返しになりますが、英語教育に対する関心の高まりが、私立校の英語教育をどんどん充実させ、公立校との違いがより際立っている。そんな状況が見えてきます。
各校の英語教育を見極めよう
私立校が英語教育に力を入れている。一般論としてはそうなのですが、学校によってその取り組みはそれぞれです。『中学受験スタディ』では、各私立校の特色ある英語教育について取材を行い、コンテンツを公開しています。以下は、その一例です。
目白研心中学校
週7時限ある授業のうち、3時限をネイティブ教員による授業とする「ACEプログラム」を導入して成果を上げている
三輪田学園中学校
習熟度別の授業を行い、海外協定大学推薦制度による海外大学への進学もバックアップする
東京都市大学付属中学校
英語によるコミュニケーション力や国際感覚を養うプログラムを推進している
大妻嵐山中学校
英語力向上のみならず、人間的な成長を促すEnglish Festivalを行っている
女子聖学院中学校
全員参加の必修プログラム「Global 3day Program」を展開している
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中高の6年間でどれだけ英語力をつけられるのか。そのことが、大学進学に限らず、社会に出てからの可能性を大きく左右するポイントになるであろうことは言を待ちません。ぜひ、上記コンテンツなどを志望校選びの参考にしてください。