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合否はどう決まる?私立高校入試のしくみ(首都圏)

「高校受験の基礎知識」シリーズでは、「学校説明会には参加したほうがいいの?」「併願優遇って何?」など、中学生や保護者の皆さんが気になる項目について解説していきます。


私立高校の選抜方法は、公立高校以上に多様で複雑です。

今回「合否はどう決まる? 私立高校入試のしくみ」では、1都3県それぞれの私立高校入試について解説します。

1.東京・神奈川はほぼ同様のしくみ。千葉と埼玉は独自
2.単願推薦、併願推薦、併願優遇、単願・第一志望優遇、フリー受験、事前相談(入試相談)など、様々な入試、制度がある

まずは、私立高校入試のしくみを「東京都・神奈川県」「千葉県」「埼玉県」にわけて紹介。知っておきたい受験用語については、後に続く「受験用語Q&A」で解説します。

東京都と神奈川県の私立高校入試のしくみ

多くの学校で、推薦入試(1月下旬)と一般入試(2月中旬)を実施しています。

推薦入試

試験日 1月下旬
選抜方法 調査書+面接や作文
※「適性検査」(学力を見極める検査)を実施する学校もある
内申基準 あり
事前相談 必要(12月)

※調査書や内申書については、下記記事の目次1「高校入試の合否は、学力検査と調査書(内申書)で決まる(面接がある場合も)」を参照。

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高校受験の基礎知識

一般入試

試験日 2月中旬
選抜方法 学力検査(英語・国語・数学)+面接のパターンが最も多い
内申基準 優遇制度を受ける場合、基準を満たす必要がある
事前相談 優遇制度を受ける場合は必要(12月)

千葉県の私立高校入試のポイント

千葉県内の私立高校では、1月中旬に前期選抜、2月上旬に後期選抜が実施されます。前期選抜期間中に推薦入試だけでなく一般入試も実施されるので、多くの学校で前期に応募者が集中。後期の枠を廃止して、前期のみで選抜する学校も増えています。

千葉県の私立高校入試のポイント

1.推薦でも不合格の可能性あり
推薦入試では、在籍する中学校校長による推薦書が必要となる学校推薦のほか、自己推薦制度を実施する学校もあります。学校推薦でも学力検査を実施する学校もあり、それらの学校では推薦でも不合格になる場合があるので試験対策が必要です。

2.学力検査は3教科が主流
主要3教科の学力検査を実施する学校が多いですが、2教科や5教科の学校もあり、同じ学校でも科やコースによって検査内容が異なる場合もあります。面接の有無なども含め、各高校のサイトで募集要項を確認しておきましょう。

3.事前相談の有無は学校による
事前相談や優遇制度の有無などは学校によって異なるので、各高校のサイトなどで確認しておきましょう。学力が上位レベルの学校では、学力検査のみで合否を決める一般入試を実施しているケースが多いです。

埼玉県の私立高校入試のしくみ

埼玉県の私立高校入試は、入試解禁日以降(1月下旬)に、試験日や入試の種類、試験の内容などを各高校が独自に決めて実施します。単願・併願、推薦・一般などの試験区分が複雑なので、各高校のサイトなどで早めに募集要項を確認しておくことが大切です。

埼玉県の私立高校入試のポイント

1.大きく分けると「単願入試」と「併願入試」
【単願入試】
その高校を第一志望とする人が対象で、合格した場合は必ずその高校に入学することが前提
【併願入試】
その高校以外を第一志望とする人が対象で、合格した場合でも第一志望の合格発表まで入学手続きを待ってくれる場合が多い
単願・併願に推薦入試や一般入試などが組み合わされ、学校ごとに様々なパターンで入試が行われています。多くの高校で単願・併願とも、国語・数学・英語の3教科の学力検査を実施しています。

2.推薦でも学力検査を実施
単願入試、併願入試それぞれで自己推薦制度や学校推薦を行っている学校が多くあります。推薦基準を満たしていれば推薦入試で出願できますが、大半の学校で学力検査を実施していて学力重視の選抜となっています。

3.「個別相談会」が重要
埼玉県の私立高校では、東京都などの私立高校で行われている「事前相談」を廃止。受験生は各高校が開催する「個別相談会」(秋頃~12月)で、どの試験区分で出願したらよいか、出願基準や合格の見通しなどのアドバイスを聞くことができます。「個別相談会」の開催日時や場所については、各高校のサイトなどで知ることができるので、早めにスケジュールを確認しておきましょう。

受験用語Q&A

Q1:「内申基準」って何?

A:内申基準とは、各高校が設定している「選抜の基準」となる内申点を指します。基本は、各教科の評定を足し合わせたものです。学校や学科、コースにより9科・5科・3科など条件が異なります。3年次2学期の内申点を基準にしている高校が多いですが、学校によって1学期でも良い場合や、2年次の内申をあわせてみる場合もあります。推薦入試の場合、内申基準をクリアしていれば面接や作文だけで合格できる学校もあれば、内申基準が出願するための最低条件という学校もあります。募集要項に内申基準について記されている場合もありますが、記載がない場合は学校説明会などで確認しましょう。

Q2:「事前相談」(入試相談)って何?

A:私立高校の推薦入試や一般入試の優遇制度を利用する場合に、中学校の先生と高校の先生との間で行われます。各高校が設定している内申基準を満たしているか、生徒がどのような中学校生活を送ってきたかなどを確認し、「合格の可能性」が伝えられる場です。
※埼玉県内の私立高校では「事前相談」はありません。受験生は個別に高校と相談(個別相談)することとなります。

Q3:「単願推薦」と「併願推薦」ってどう違うの?

A:その学校が第一志望かどうかによって、条件が異なる「単願推薦」と「併願推薦」があります。
・単願推薦(A推薦):合格したら必ずその学校に入学することが条件。推薦基準を満たしていれば、合格の可能性が高いです。
・併願推薦(B推薦):第一志望(※)に不合格だった場合、必ずその学校に入学することが条件。多くの場合、推薦基準が単願推薦より高めに設定されています。東京都と神奈川県の私立高校では、この推薦で受験できるのは、原則、東京都と神奈川県以外に在住する中学生です。
※公立高校との併願に限る場合と、私立高校との併願も可能の場合があるので注意が必要です。

Q4:「優遇制度」って何?

A:各高校が定めた条件に該当すれば、合格の可能性が高くなる制度です。「単願優遇」(その学校が第一志望で、合格したら必ず入学)や「併願優遇」(第一志望の学校が他にあるが、そこに不合格だった場合は必ず入学)など、多くの高校でなんらかの優遇制度があります。内申基準だけでなく、英検や生徒会活動などを考慮してもらえるケースもあり、詳細は高校によって異なるので、学校説明会で確認しましょう。
※受験に関する相談などで「併願」という言葉が出てきた場合、単純に複数の学校を受験することではなく、「併願優遇」を指していることもあるので注意が必要です。

Q5:「書類選考」だけの学校もあるの?

A:神奈川県などでは、学力検査も面接も行わず、調査書などの書類のみで選考する学校も増えています。各校の内申基準を満たして事前相談を経れば、面接や学力検査を受けることなく合格できる制度です。

Q6:「オープン入試(フリー受験)」って何?

A:内申基準や事前相談などがなく、調査書にとらわれず当日の学力検査のみで合否を決定する方法。優遇制度の内申基準に達していない場合や欠席日数が多い場合などはオープン入試で受験することとなります。

Q7:「自己推薦」は他の推薦とどう違うの?

A:在籍する中学校校長による推薦書が不要で、内申基準の有無は学校によって異なります。学力検査を実施している学校もあり、一般入試やオープン入試に近いですが、多くの場合一般入試より早い時期に合否が決まります。学校によっては、自己推薦と一般入試の両方に出願して2度受験するチャンスを作ることも可能です。

Q8:「学校説明会」には行った方がいいの?

A:各高校が開催する説明会は、推薦基準や優遇制度の詳細など、合格に近づくための情報を知ることができる機会となります。また、第一志望でない場合でも、3年間通うことになるかもしれないので、実際に行って施設を見学したり、生徒や教員の雰囲気を知っておいた方がよいでしょう。少しでも気になる学校があれば、開催スケジュールを調べてぜひ参加しましょう。

▶︎説明会・イベントカレンダーページはこちら


このように、私立高校の入試のしくみは大変複雑なものです。第一志望が公立校の場合と私立校の場合、公立校と私立校を併願する場合と私立校のみを併願する場合など、組み合わせによってどの入試区分で出願できるか変わってきます。推薦や優遇制度のしくみを十分に理解した上で、どの学校にどの入試区分で出願するか決めることが大切です。

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