※2024年9月25日に、最新情報に更新しました。
「高校受験の基礎知識」シリーズでは、「学校説明会には参加したほうがいいの?」「併願優遇って何?」など、中学生や保護者の皆さんが気になる項目について解説していきます。
受験する高校を決めるとき、保護者にとっては学費も重要な要素となります。公立と私立では学費に大きな差がありますが、授業料を補助する制度によってその差は狭められました。Vol.4では、国や都道府県が行っている私立高校授業料の補助制度について解説します。
2. 保護者が学校を通して申請し、補助金は都道府県から学校へ交付される
3. 保護者が一旦授業料を納めて、後日学校から返還される場合もある
全日制(普通科)の場合
国の補助制度「高等学校等就学支援金」
国公私立を問わず、高校などに通う生徒(所得等の要件を満たす世帯)に対して、授業料にあてるための「高等学校等就学支援金」(以下、就学支援金)が給付されます。公立高校では月額9,900円。私立高校の場合は、月額9,900円が基本ですが、世帯の収入に応じて1.5~2.5倍に加算された額が支給されます。
都道府県の補助制度
国からの「就学支援金」と授業料の差額については、各家庭で負担しなければなりません。その差額を補うために、私立高校に通う生徒に対しては、各都道府県による独自の補助制度があります。「就学支援金」と併用することが可能ですが、都道府県による補助制度は、居住地と通う学校の所在地によっては対象とならない場合もあるので、注意が必要です。
居住地 | 学校の所在地 | |
東京都「私立高等学校等授業料軽減助成金」 | 東京都 | 都外の高校も可 |
神奈川県「私立高等学校等生徒学費補助金」 | 神奈川県 | 神奈川県 |
千葉県「私立高等学校等授業料免除制度」 | 県外に居住も可 | 千葉県 |
埼玉県「父母負担軽減事業補助金」 | 埼玉県 | 埼玉県 |
例えば、東京都在住なら、神奈川県にある私立高校に通う場合も東京都の制度を利用できますが、神奈川県在住で東京都にある私立高校に通う場合は東京都の制度も神奈川県の制度も対象外になります。埼玉県在住で千葉県にある私立高校に通う場合は、千葉県の制度が利用できますが、千葉県在住で埼玉県にある私立高校に通う場合は千葉県の制度も埼玉県の制度も対象外となってしまうのです。制度を利用したい場合は、居住地と通いたい学校の組み合わせが対象となるか受験前に確認しておきましょう。
東京都「私立高等学校等授業料軽減助成金」
年収の目安910万円程度までの世帯に対し、国の「就学支援金」と合わせて、475,000円まで助成されます。
全日制(普通科)以外の場合や細かい適用条件など、制度に関する詳しい情報は、下記サイトでご確認ください。
▶︎東京都
私立高等学校等授業料軽減助成金事業
【全日制・定時制向け】保護者負担軽減リーフレット
神奈川県「私立高等学校等生徒学費補助金」
年収の目安700万円未満(多子世帯は800万円未満)程度の世帯に対して、授業料は、456,000円まで、入学金は生活保護世帯・住民税非課税(年収約270万円未満)世帯の方に対して210,000円まで支援されます。
全日制(普通科)以外の場合や細かい適用条件など、制度に関する詳しい情報は、下記サイトでご確認ください。
▶︎神奈川県
私立高等学校等生徒学費補助金について
リーフレット
千葉県「私立高等学校等授業料減免制度」
入学金については、生活保護世帯及び年収350万円未満程度の世帯に、入学金の全額または15万円のいずれか低い方の額が支給されます。また、授業料は、生活保護世帯及び年収640万円未満程度の世帯には、月額授業料の全額から就学支援金を除いた差額を免除。年収750万円未満程度の世帯及び住宅等の建物、土地、家財等に災害を受けた世帯、家計急変世帯には、月額授業料の3分の2(ただし、20,100 円を上限とする)から就学支援金を除いた差額が免除されます。
全日制(普通科)以外の場合や細かい適用条件など、制度に関する詳しい情報は、下記サイトでご確認ください。
▶︎千葉県
令和6年度私立高等学校等授業料減免制度
授業料減免制度のお知らせ
埼玉県「父母負担軽減事業補助金」
入学金は、年収約609万円までの世帯には10万円(1年生のみ)、施設費等納付金は、生活保護世帯及び家計急変世帯には全額、また、年収約500万円までの世帯には、396,000円が支給されます。授業料は、年収約590万円から約720万円までの世帯に268,200円が支給されます。
全日制(普通科)以外の場合や細かい適用条件など、制度に関する詳しい情報は、下記サイトでご確認ください。
▶︎埼玉県
私立学校の父母負担軽減について(令和6年度)
埼玉県父母負担軽減事業補助金のお知らせ
支援金や補助金は学校が受領
国からの「就学支援金」や都道府県からの補助金は、生徒や保護者が直接受け取るものではありません。学校設置者(学校法人等)が生徒本人に代わって受け取り、授業料にあてるものです。申請してから交付されるまで時間がかかるため、学校によっては保護者が一旦授業料を納めて、後日学校から保護者へ返還される場合もあります。入学時に慌てないように、申請の流れについて学校説明会などで確認しておきましょう。