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20万人以上が通学! 今、注目の通信制高校

通信制高校とは

高校には、全日制・定時制・通信制という3つの課程があります。全日制は午前から午後にかけて授業を行う学校、定時制は特定の時間(主に夕方~夜間)に授業を行う学校、通信制は添削指導、スクーリング(面接指導)及び試験によって教育を行う学校です。

通信制と全日制・定時制の違い

1.毎日通う必要がない

全日制や定時制は、毎日決められた時間に登校する必要があります。一方、通信制は自宅学習が基本なので、毎日学校に通う必要はありません。スクーリングの標準回数は年間で20日ほどですが、学校によって様々です。インターネットやテレビ放送など、多様なメディアを利用した指導により、年に数回登校すればよいという学校もあります。

2.「学年制」ではなく「単位制」

全日制や定時制の多くが「学年制」であるのに対して、通信制はほとんどが「単位制」です。「学年制」の場合は、学校が決めた時間割に従って授業を受けます。1年間のカリキュラムの中で成績と出席日数が基準を満たしていないと、進級や卒業ができません。一方、通信制の場合は、生徒自身が履修する科目を決めます。科目ごとに決められた回数以上の添削指導と、決められた単位時間のスクーリングを受け、単位認定試験で合格すれば単位修得となります。もし単位を落としたら、落とした単位分だけまた履修すればよいので、「学年制」のように留年して1年間の授業すべてを受け直す必要はありません。

通信制高校と「高卒認定試験」の違い

通信制高校に通って卒業要件(※)を満たせば、全日制や定時制と同様に「高校卒業」の資格が得られるので、大学や専門学校に進学することもできます。一方、「高卒認定試験」の場合は、高校卒業程度の学力があることの証明です。大学や専門学校を受験する資格は得られますが、高校を卒業したことにはなりません。「高卒認定試験」に合格しただけでは最終学歴が「中卒」となるのに対して、通信制高校を卒業すれば全日制と同じように履歴書に「高卒」と書けます。
※卒業要件は、3年以上の在籍+74単位以上の修得+30単位以上の特別活動(ホームルームや行事など)

 

出典:文部科学省「検討を進めるための参考資料集」(令和3年12月24日)

 

「令和4年度学校基本調査(速報)」によると、通信制高校は全国で273校(公立78校、私立195校)あり、約24万人の生徒が通っています。3つ以上の都道府県から生徒を募集できる広域通信制高校は、各地域に学習拠点となるサテライト施設(協力校、自校施設、技能連携校、サポート校など)を設置するケースが多いです。

 

通信制高校に通うメリット

1.自分のライフスタイルに合わせて学べる

単位制なので、スポーツや芸能活動などと両立しやすいです。通信制高校では、科目によって1単位を修得するのに必要な添削指導とスクーリング(面接指導)の回数が決められています。学年制ではないので、1年目は少なめ、慣れてきた2年目は多めに修得するなど、自分のペースで学ぶことが可能です。ただし、通信制高校の修業年限は「3年以上」と決められているので、それよりも短い期間で卒業することはできません。

2.全日制から転入・編入が可能

全日制に通ってみたものの、いじめや体調不良などで通うことが難しくなった場合にも、転入(在籍中に手続きをして、別の学校へ入学)や編入(学校を中退してから別の学校へ入学)ができます。以前通っていた学校に「単位修得証明書」を発行してもらうと、単位の免除を受けることが可能です。ただし、全日制の場合、単位が認められるのは学年を修了したときなので、2年生の途中で中退して通信制高校へ編入する場合、認められる単位は1年生で修得したものだけになります。

3.スクーリング(面接指導)がある

通信制高校の場合、自宅学習が中心となりますが、スクーリングがあるので、先生や仲間と一緒に過ごす機会も得られます。近年は、通学コースのある通信制高校も増えてきました。週1、週3など、自分に合ったペースで通学しながら、学校行事や部活動に参加できる学校もあります。

通信制高校を選ぶポイント

1.コース、クラス

多様なニーズに応えるために、通信制高校も変化してきています。自分の目標を明確にして、希望に合った学習スタイルの学校を選ぶことが大切です。

最低限の登校で高校を卒業できる自宅学習メインのコース

自宅学習メインのコースであっても、学校によってスクーリング(面接指導)の頻度が異なります。自分がなぜ間違ったのか理解できないときなど、添削指導だけでは解決できない疑問点を解消するのがスクーリングです。スクーリングは、毎週登校する必要がある学校もあれば、集中型や合宿型のスクーリングのみ参加すればよい学校もあります。テレビ放送やインターネットの動画配信といったメディアを活用したスクーリングを行う学校もあり、その場合は、メディアの授業を受講することで、登校する回数を減らすことが可能です。

仲間や先生と一緒に高校生活を楽しめる通学コース(週1・週3・週5など)

通信制の通学コースは、1時限目が始まるのが全日制より遅いなど、通学に慣れていない生徒に配慮した時間割が組まれていることも多いです。授業は、中学校の復習や高校の補習授業のほか、課題解決型の授業やグループワークでの探究学習など、自宅学習ではできない学びができる学校もあります。

大学進学へのサポートに特化したコース

高校卒業資格の取得を目標にしているベーシックなコースでは、大学へ進学する生徒は全日制ほど多くありません。大学進学率のデータ(文部科学省「検討を進めるための参考資料集」令和3年12月24日より)を比較すると、全日制が56.5%であるのに対して、通信制は17.6%です。大学進学を目指す仲間が少ないということは、モチベーションが上がらない要因の1つになります。大学進学を目指すなら、大学進学コースの有無や進学実績なども学校選びのポイントとなるでしょう。

出典:文部科学省「検討を進めるための参考資料集」(令和3年12月24日)

専門的な学びをプラスできるコース(芸能、スポーツ、声優・アニメ、プログラミング、eスポーツ、美容、留学など)

中学校時代から芸能活動やスポーツに力を入れている生徒が、通信制高校を選ぶことも多いです。また、大学進学を目指すのではなく、他に学びたい分野がある生徒が通信制を選ぶケースもあります。通信制高校の中には、高校卒業に必要な学びにプラスして、専門的な授業を選択できるコースがある学校もあります。自分が学びたい分野があれば、専門コースがあるかどうかも学校選びで重要なポイントとなるでしょう。

2.担任制の有無

一人ひとりに担任がつくか、スクールカウンセラーが常駐しているかなど、教員によるサポート体制がしっかりしているかどうかも、学校選びのポイントとなります。

3.学費

通信制高校の授業料は、1単位あたりで決められています。東京都の場合は、1単位あたり336円です。私立は学校によってかなり幅がありますが、例えば目黒日本大学高等学校の場合は、「スタンダードコース」で1単位9000円です。サポート体制に力を入れている学校は学費が高くなる傾向があり、通学コースの場合は通う回数が多いほど学費は高くなります。通信制高校の授業料については、就学支援金制度の対象となっているので、申請して支給を受ければ学費の負担を軽減することが可能です。
※世帯年収によって支給金額は異なります。

4.入試

公立の通信制高校は、4月と10月に入学できるのが一般的です。私立は毎月、随時など、学校によって様々。試験は面接や作文が主流なので、偏差値という目安がありません。ですから、通信制高校に通う目的や将来の目標などが、学校選びのポイントとなります。

5.サポート校が必要か否か

通信制高校に通う場合、レポートを期限までに提出するなど、自己管理能力が必要になります。自宅学習メインのコースを選ぶ場合などは、サポート校に通う必要があるかも含めて、学校選びをすることが重要です。

サポート校とは

サポート校とは、通信制高校で学ぶ生徒が高校の卒業資格を滞りなく取得できるように、学習面や生活面のサポートをする民間の教育施設です。通信制高校は、かつては働く若者のために、働きながら学べる学校としての役割を担っていました。しかし、不登校や高校中退の経験を持つ若者が増えるにつれて、通信制高校の役割も変わってきたのです。1990年代に誕生したサポート校は、不登校や高校中退経験を持つ生徒が通う教育施設として注目され、現在は通信制高校を補完する教育施設としての役割を果たしています。

サポート校は予備校や塾に近い教育施設であり、国から正式に学校と認可されているわけではないので、サポート校のみで高校卒業資格を得ることはできません。通信制高校に通う生徒の学習からメンタル面まで、幅広いサポートをするのがサポート校の役割です。サポート校に通うためには、通信制高校とは別に学費がかかるのがデメリットとして挙げられますが、通信制高校の学費に就学支援金などを活用すれば、費用を抑えることもできるでしょう。

目黒日本大学高等学校 通信制課程の場合

目黒日本大学高等学校は、日大系列初の通信制高校です。全日制の校舎を使用でき、同じ制服を着て通学できます。日大へ内部進学するための「基礎学力到達度テスト」を受けて、付属校の生徒として日大への進学を目指せることも全日制と同様です。

平日の授業(週2日)とスタディサプリを利用した効率的な学習で大学進学を目指す「アドバンストクラス」、アルバイトや仕事をしながら卒業を目指す生徒も多く、自分のペースで無理なく学べる「スタンダードクラス」、夢や目標をもつ生徒が集い、変則的なスケジュールにも柔軟に対応する「芸能スポーツプロフェッショナルクラス」の3クラス制。それぞれ40人ほどの学級で編成され、担任がつきます。部活動や学校行事などを通して仲間をつくることもでき、勉強だけでなく、学校生活の楽しさも体験できる環境が整っています。

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