「科学とつながり、未来をつくる」放課後プロジェクト
Nさんは放課後プロジェクトの「実験教室ラボ」に所属し、様々な場所で科学の実験教室やワークショップを催す活動をしている。「もともとはクロスカリキュラム*のラボで活動していたのですが、時間が足りなくなり、放課後プロジェクトに移行しました。固定の企画メンバーは先輩2人と私の3人です。目標は大きく2つあって、1つはたくさんの人に科学に触れてもらうこと、もう1つは対話を通じて新しい価値を創造することです。ライトなものと大きな夢、両方の思いをもって活動しています」
ちなみにNさんは、サイエンスコミュニケーターの肩書を入れた名刺を作り、「実験教室ラボ」のサブタイトルとして、「科学とつながり、未来をつくる」というモットーを記している。
*クロスカリキュラム…毎週水曜日の丸1日を使って、中高の全生徒が主体的に探究する時間。中学の前期は自分の好きなことを探究し、その後は興味あるテーマを選び、専門的な教員のガイドのもと、チームや個人で活動をする。
東京大学と連携し、国内最大級の科学イベントに出展!
Nさんたちは、新渡戸文化小学校のアフタースクールで理科実験をしたり、同学園が主催する地域交流イベント「ギャザリングパーク」で実験教室を開いたり、また、代々木公園で行われる「アースデイ」や、国内最大級の科学イベント「サイエンスアゴラ」など、外部の催しにも積極的に参加している。
「アースデイでは公益社団法人日本環境教育フォーラムの鴨川光さんの協力を得て、海の汚染について自分たちができることを考えてもらうワークショップを開きました。サイエンスアゴラは今年で3回目の出展となり、東京大学生産技術研究所の松山研究室と共同で、『ひみつの研究道具箱』*を用いた企画を行いました。他にも板橋区立教育科学館や学校説明会の特別講座で、植物由来のキャンドルを作る実験をし、炭素循環の説明をしました。活動をしてやりがいを感じるのは、お客さんの反響があった時です。それも『楽しかった』だけではなく、『もっと炭素循環について調べてみます』などと、深いところまで関心をもってもらえた時はとてもうれしいですね」
*ひみつの研究道具箱…東京大学生産技術研究所の松山桃世准教授が開発した52枚のカード。表に最新技術の名前、裏側には技術の概要と用途例が記され、カードを組み合わせて、ピンチを切り抜けるアイデアを出し合う。
やりたいことが見つかり、生徒の活動を後押ししてくれる学校
「実験教室ラボ」の活動を通して、Nさんは科学の知識が増えたとともに、コミュニケーション力やわかりやすく説明する力が身についたと実感している。「今後はコンテストにも出場したいと思っています。また、インスタグラムを開設したので、自分たちの活動をより多くの人に知ってもらえるよう発信していきます」
そして、自身の学校生活について、「新渡戸に入っていなかったら、こんな活動もしていなかったはず」と振り返る。「この学校は生徒のやりたい活動が自由にでき、広報や場所の提供、イベントの出展の際に補助をしてくれるなど、後押しをしてくれます。だから、受験生で目標がたくさんある人は、新渡戸に来るとそれらを実行し、達成感が味わえると思います。反対に、今目標がないという人も、いろいろな活動に出会えるので、必ずやりたいことが見つかりますよ」
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