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【連載:数学と言葉】第6回 数学用語の言葉使いその2 数は「かず」それとも「すう」

小学一年生 算数の教科書では「かず」

『わくわくさんすう1』(啓林館)の目次の中で「かず」を含むものを取り出してみます。

1 かずと すうじ
8 20までのかず
11 3つの かずの けいさん
16 ものと ひとの かず
17 大きい かず
19 100までの かずの けいさん
20 おなじ かずずつ

22章のうち約3分の1に「かず」が登場します。

わが国では、数は最初「かず」と読むことを覚えます。小学校一年生で習う「数(かず)」は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、…、そして0です。「自然数」「整数」といった言葉が登場するのは中学数学の教科書です。

算数の中で数が「すう」と読まれるようになるのは、3年生以降の分数・小数・約数・倍数・がい数の登場からです。

中学・高校数学の教科書で登場する「すう」

中学では算数が数学にかわり、正の数・負の数(数の読みは「すう」「かず」どちらもあります)からはじまります。この後、高校数学までに整数・有理数・無理数・実数・虚数・複素数といった数の仲間たちが教科書に出現します。

深化する数

数の分類はこれにとどまりません。虚数を用いた複素数は2元数とも呼ばれますが、これをもとに19世紀になると4元数、8元数といった“新種”の数が発見されました。

円周率πが無理数(非循環無限小数)であることが証明されたのが18世紀、19世紀になるとπは超越数(非代数的数)であることが証明され、世界中の数学者を驚かせました。

√2=1.41421356…という数は、1/7=0.142857 142857 142857…のような循環小数ではなく非循環無限小数です。π=3.14159265358979…も同じです。このような数が無理数です。

ところで√2はx2=2という代数方程式の解であると説明できる数です。このような代数方程式の解となる数を代数的数といいます。ところが同じ無理数である円周率πにはこのような代数方程式が存在しません。すべての方程式を超越した数という意味で超越数と呼ばれます。

さらに、20世紀になり電気計算機、電子計算機といった自動計算機が発明されると計算機科学(コンピューターサイエンス)という新しい学問が誕生します。計算機科学の中で新しい数が発見されていきます。計算可能数、計算不可能数、定義可能数などがそうです。

生物学で新種が発見されると命名されるのと同じことが、数の世界でも行われています。

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